→ PBR(実質) 0.76倍は業種内では上位80%に位置するが、時価総額の55.4%を占める927億円のネットキャッシュが評価を抑制している。PER(清原式) 9.09倍は現金を除いた実質的な収益力が割安な水準にあることを示しており、資本コストを1.69%下回るROICの改善が、アクティビストによる改善要求の論拠となる。
株価: 1,630円 / 発行済株式数: 110,064,249株
| 指標 | 市場の評価 | 実力値(調整後) | 業種中央値 |
|---|---|---|---|
| PBR | 0.76倍 | PBR(実質) 0.76倍 | 0.49倍 |
| PER | 19.03倍 | PER(清原式) 9.1倍 | 9.6倍 |
| 純資産 | 2,187億円 | 修正純資産 2,187億円 | - |
| 時価総額 | 1,794億円 | 理論時価総額 1,842億円 | - |
| 配当還元 | 3.07% | 潜在利回り 2.63% | 配当性向中央値29.5% |
| EV/EBITDA | 11.57倍 | - | 14.25倍 |
業種: 鉄鋼(33業種分類)
| 指標 | 当社値 | 業種中央値 | 対業種比 |
|---|---|---|---|
| PBR | 0.76倍 | 0.49倍 | 1.56倍 |
| ROE | 9.7% | 4.9% | 1.98倍 |
| PER | 19.03倍 | 9.60倍 | 1.98倍 |
| 配当性向(実績) | 26.0% | 29.5% | 0.88倍 |
| 指標 | 値 |
|---|---|
| Beta(1年)? | 0.55 |
| 株主資本コスト? | 4.3% |
| WACC? | 4.3% |
| ROIC? | 2.6% |
| ROICスプレッド? | -1.7% |
| EVA(経済的付加価値)? | -37億円 |
| デュポン分析? | |
| 売上高純利益率? | 6.5% |
| 総資産回転率? | 1.08回 |
| 財務レバレッジ? | 1.39倍 |
| ROE? | 9.7% |
| 負債構造 | |
| D/Eレシオ? | 0.00倍 |
出典: EDINET有価証券報告書 (S100W38V)、大量保有報告書 (S100XVQY)
【編集部注】 東京製鐵のPBR(実質) 0.76倍と多額のネットキャッシュは割安な水準を示しています。この割安な評価に対し、アクティビストはどのような行動を起こすでしょうか。
→ 行動確率75%(26件中20件)で信頼性は十分。オアシスは「重要提案行為」目的で5%超の新規保有報告書を提出後、数ヶ月以内にキャンペーンサイト開設や株主提案等の具体的な行動に移る傾向がある。東京製鐵の低PBR (0.76倍) と高NC比率 (0.55) は、オアシスが過去に自社株買いや増配要求を成功させた企業の特徴と一致しており、資本効率改善を求める蓋然性が高い。
主要戦略: 自社株買い要求 / 副次的な戦略: 増配要求
推定取得単価1,605円に対し現在株価1,630円(乖離+1.5%)。含み益圏内。
共同保有者・貸株・担保契約:いずれも本報告書に記載なし
保有事由の変遷(48件): 事由変更 5件 / 同一事由 43件
▼ 保有事由が変更された銘柄:
※ 事由変更ありの行は左線ハイライト。報告日リンクからEDINETの1次情報を確認できます。
| 報告日 | 株価 | 保有比率 | 保有目的 |
|---|---|---|---|
| 2026-04-02 | ─ | 6.25% | ポートフォリオ投資および重要提案行為。 |
【編集部注】 オアシスは過去に高い確率で具体的な行動に移っています。しかし、その提案が企業に受け入れられるかは株主構成に左右されます。
→ アクティビストが6.25%を保有。実質安定株主55.2%の壁に対して、議決権行使のみでの突破は困難な構成です。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 実質安定株主比率(鈴木式) | 55.2% |
| ├ A. その他法人 | 41.0% |
| ├ B. 政府・公共団体 | 0.0% |
| ├ C. 自己株式 | 5.3% |
| ├ D. 個人大株主 | 8.8% |
| ├ E. 政策保有金融(×0.7) | 0.0% |
| ├ F. 外国戦略株主 | 0.0% |
| ├ G. オーナー系ファンド | 0.0% |
| ├ H. 持株会・共栄会(×0.5) | 0.0% |
| └ I. 国内VC控除 | −0.0% |
※ A・B・Cは発行済株式ベース、D・E・G・Hは大株主データ(自己株式除外ベース)のため、内訳の単純合計と比率は一致しない場合があります。
※ 安定株主比率の各項目は有価証券報告書(EDINET開示)のXBRLデータに基づいています。解析精度により一部データが正確に取得できていない場合があります。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 社外取締役比率 | 40% (2名 / 5名) |
| 社外役員比率(取締役+監査役) | 40% |
| 買収防衛策 | TDnet開示なし |
【編集部注】 実質安定株主比率55.2%という状況下でも、資本効率改善の圧力が期待されます。この圧力が株価の下値を支える要因となるでしょうか。
配当性向(実績): 26.0%
→ 配当利回り 3.07%は下値を支える水準だが、FCFデータが未取得のためキャッシュフロー面からの持続性は検証途上である。しかし、有利子負債ゼロかつ時価総額の44.3%に相当する795億円の自社株買い余力を有しており、配当性向を100%まで引き上げた場合の推計利回りは11.8%に達するなど、還元強化による株価へのインパクトは極めて大きい構造を持つ。
| シナリオ | 配当性向 | シミュレーション利回り? |
|---|---|---|
| 現状 | 26.0% | 3.1% |
| 50%シナリオ? | 50% | 5.9% |
| 75%シナリオ? | 75% | 8.9% |
| 100%シナリオ? | 100% | 11.8% |
| 指標 | 値 | 判断 |
|---|---|---|
| NC比率? | 55.4% | 時価総額の約6割が余剰現金。増配原資は潤沢 |
| 総還元性向? | 26.0% | 還元余地が大きい |
| FCF利回り? | — | FCFデータなし — 配当の持続可能性をキャッシュフローで検証できません。決算短信のCF計算書でご確認ください |
| 業種配当性向中央値? | 29.5% | 現在26.0%は業種を下回る水準(増配の論拠) |
| 配当実績 | ||
| 配当性向(予想)? | 62.5% | |
| DOE? | 2.5% | |
| 配当成長率(前年比)? | 0.0% | |
| 配当CAGR(3年)? | 26.0% | |
| 自社株買い | ||
| 自社株買い余力? | 795億円 | |
| 自社株買い余力比率? | 44.3% | |
【編集部注】 配当利回り3.07%と多額の自社株買い余力は下値を支える可能性があります。では、アクティビストの要求が実現した場合、株価の試算値はどの程度になるでしょうか。
現在株価: 1,630円
→ 試算値レンジは1,674円(清原式)から2,133円(PBR是正モデル)と幅がある。現在株価1,630円は理論株価試算値(中央値1,947円)を約16%下回る水準にあり、推定取得単価1,605.45円とほぼ同水準である。アクティビストは含み益が限定的であり、資本効率改善要求が実現し、株価がPBR是正モデルの2,133円に近づくことで利益確定の出口が見えてくる構成。
| シナリオ | 試算値 | 現在株価比 | トリガー条件(何が起きたら) |
|---|---|---|---|
| 強気 | 2,133円 | +30.9% | 大規模自社株買いやTOBの発表、または経営陣刷新による抜本的改革の実現。 |
| 中立 | 1,947円 | +19.4% | 資本効率改善策の部分的実施、または対話の長期化による膠着。 |
| 弱気 | 1,674円 | +2.7% | 安定株主の強固な抵抗による提案否決の継続、または市場環境の悪化。 |
| 下値参照 | 1,605円 | -1.5% | 推定取得単価。これを下回ると撤退圧力が発動する水準 |
| モデル | 理論株価 | 現在株価比 |
|---|---|---|
| 1,674円 | +2.7% | |
| 1,829円 | +12.2% | |
| 1,947円 | +19.4% | |
| N/A | BPSが未取得 | |
| 2,133円 | +30.9% | |
| 1,947円 | +19.4% | |
| 1,605円 | 撤退圧力発動水準 |
※理論株価試算値は常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。
| 銘柄 | 行動内容 | 結果 |
|---|---|---|
| 花王(2024年) | 「A Better Kao」キャンペーンを開始し、社外取締役選任などの具体的な要求を提示。 | キャンペーンは継続中。 |
| メルカリ(2024年) | 具体的な要求は未公表だが、成長鈍化に対する経営改革を求めるものと推測される。 | 介入は継続中。 |
| コクヨ(2024年) | 政策保有株の縮減や資本効率の改善が焦点となると見られる。 | 介入は継続中。 |
| サン電子(2019年) | 臨時株主総会を招集し、会社側経営陣の一部解任とオアシス指名の取締役選任を勝ち取る。 | 要求の一部が実現。 |
出典: 大量保有報告書 (S100XVQY)、EDINET有価証券報告書 (S100W38V)
【編集部注】 理論株価試算値(中央値1,947円)は現在の株価を上回る水準です。しかし、過去の類似案件でアクティビストは実際にどの程度の成果を出しているでしょうか。
期待値スコア: -0.7
→ 実額ベースでは過去1年間の26件中65%がプラスリターン(平均+4.02%)で投資先の大半は利益を出している。ただしTOPIX超過では勝率46%にとどまり、市場全体の上昇に助けられた面が大きい。オアシスは還元要求型のスタイルで、短期で結果を出すか大負けするかの二極化傾向があるため、1年以内の結着を前提にすべき構成である。
| 期間 | 勝率 | リターン中央値 | リターン平均値 | 対象件数 |
|---|---|---|---|---|
| 3ヶ月 | 42% | -3.1% | -1.9% | 38 |
| 6ヶ月 | 47% | -0.4% | -0.1% | 32 |
| 1年 | 46% | -1.5% | 4.0% | 26 |
| 2年 | 39% | -15.3% | -10.5% | 18 |
(参考)絶対リターン: 1年勝率 65% / 平均+19.4%、 2年勝率 72% / 平均+21.8%
| 期間 | 勝率 | リターン中央値 | リターン平均値 | 対象件数 |
|---|---|---|---|---|
| 1年 | 65% | 9.3% | 21.2% | 26 |
| 2年 | 50% | -1.3% | 7.7% | 18 |
※ 報告書記載の推定取得単価を基準にした成績です。取得単価の精度に限界があるため参考値として掲載しています。開示翌日基準(上記メインテーブル)の数値を優先してください。
| 初回報告日 | 銘柄 | リターン(1年) | リターン(2年) |
|---|---|---|---|
| 2025-02-18 | 太陽ホールディングス(4626) | +151.8% | N/A |
| 2024-12-10 | 花王(4452) | -28.9% | N/A |
| 2024-11-13 | メルカリ(4385) | +15.4% | N/A |
| 2024-11-06 | コクヨ(7984) | +8.4% | N/A |
| 2024-09-06 | セーレン(3569) | +7.8% | N/A |
| 2024-09-06 | 日本ゼオン(4205) | +19.3% | N/A |
| 2024-07-29 | パソナグループ(2168) | -16.4% | N/A |
| 2024-07-24 | 小林製薬(4967) | -16.7% | N/A |
| 2024-03-06 | アインホールディングス(9627) | -13.8% | -30.2% |
| 2023-12-28 | DIC(4631) | +6.9% | -8.9% |
| 2023-12-28 | セプテーニ・ホールディングス(4293) | -41.0% | -50.9% |
| 2023-12-04 | ACSL(6232) | -14.2% | -53.3% |
| 2023-09-01 | 相模ゴム工業(5194) | -1.5% | -25.6% |
| 2023-05-31 | ライフネット生命保険(7157) | +21.7% | +96.8% |
| 2023-05-29 | 熊谷組(1861) | -12.2% | +2.1% |
| 2023-05-18 | クスリのアオキホールディングス(3549) | -1.4% | +15.6% |
| 2023-03-30 | 東京都競馬(9672) | -18.8% | -17.1% |
| 2022-12-26 | 内田洋行(8057) | +28.5% | +1.6% |
| 2022-12-26 | ツルハホールディングス(3391) | +6.2% | -63.8% |
| 2022-11-10 | サンケン電気(6707) | -4.7% | -46.4% |
| 2022-03-24 | フジテック(6406) | -2.1% | -15.2% |
| 2022-02-28 | マネックスグループ(8698) | -21.1% | +7.5% |
| 2022-01-04 | デジタルガレージ(4819) | -1.7% | -45.9% |
| 2021-12-28 | インフォコム(4348) | +8.5% | +3.3% |
| 2021-09-16 | 電気興業(6706) | +1.1% | -15.3% |
| 2021-04-01 | 北越コーポレーション(3865) | +23.5% | +56.1% |
※ リターンはTOPIX超過リターン(報告翌営業日始値基準)。新規報告のみ。
【編集部注】 オアシスの過去実績はプラスリターンが多数を占める一方で、TOPIX超過勝率は46%にとどまります。この銘柄において、アクティビストの撤退を検討する兆候は見られるでしょうか。
平均保有期間: N/A
→ 自動判定ではバリュエーションが「注視」水準にある。現在株価1,630円は理論株価試算値(中央値1,947円)を下回るが、PBR(実質) 0.76倍は業種中央値0.49倍を上回るため、割安感の解消が進むと「注視」に移行する。アクティビストの撤退兆候は現時点では確認されていないが、実質安定株主比率55.2%という壁があるため、対話が膠着し提案が否決され続けた場合、過去に安定株主比率50%超の銘柄で撤退したオアシスのパターンに合致するリスクがある。
本チェックリストは撤退兆候の有無を整理したものであり、売買タイミングの助言を構成するものではありません。
出典: 大量保有報告書 (S100XVQY)、EDINET有価証券報告書 (S100W38V)
【編集部注】 現在、アクティビストの撤退兆候は確認されていませんが、安定株主比率の高さは潜在的なリスクです。これらの要因を踏まえ、総合スコアとリスク要因をどう評価するべきでしょうか。
※ 本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。詳細は末尾の免責事項をご確認ください。
リスク要因: TOPIX超過勝率 46% / FCFデータなし → 鉄鋼業界は脱炭素化と東証によるPBR改善要求という構造変化に直面しており、電炉メーカーである東京製鐵は環境側面で優位性を持つ可能性があります。しかし、国内需要の低迷とコスト上昇により、東京製鐵は2026年1月23日に通期業績予想を下方修正しています。アクティビストのオアシスは小林製薬、花王、堀場製作所、ニデックなど複数の日本企業に対し、ガバナンス改善や資本効率向上を積極的に要求しており、その投資スタイルは一貫しています。東京製鐵の有利子負債ゼロや多額の自社株買い余力といった財務健全性は、オアシスが資本効率改善を追求する上での強固な基盤となり、総合スコア7.1という評価は、厳しい市場環境下でも同社の財務体質とアクティビストの要求が重なることで企業価値向上の圧力が期待される構成を示唆しています。
※本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。将来のリターンを保証・予測するものではなく、スコアの高低は売買の推奨を意味しません。
| 分析軸 | スコア | ウェイト | データ品質? |
|---|---|---|---|
| 割安か+下値は堅いか(財務)? | 4.2 / 5 | ×30% | HIGH |
| どう動くか+撤退の兆候は(行動)? | 4.0 / 5 | ×35% | HIGH |
| 提案は通るか(株主構成)? | 3.5 / 5 | ×25% | HIGH |
| 過去の打率は(実績)? | 0.0 / 5 | ×10% | 期待値マイナス |
| 総合スコア? | 7.1 | / 10.0 |
各軸スコアはS1〜S7の分析データを入力としたAIによるモデル計算値であり、ルールベースの算出ではありません。 同一データに対して実行ごとに微小な差異が生じる場合があります。