カシオ計算機 (6952)

3Dインベストメント積極介入型
保有比率: 5.03%新規
業種: 電気機器
報告書提出日: 2026-04-02
データ取得日: 2026-04-01
3Dインベストメントは過去8件中87.5%でTOPIX超過リターンを実現──だがカシオ計算機はPBRが業種中央値を46%上回る水準。
総合スコア?
(0.0–10.0)
7.0以上
全23件中 ─ 中央値: 5.7 / 上位25%: 6.7
目次
  1. 割安か──バリュエーション指標
  2. どう動くか──介入シナリオと行動確率
  3. 提案は通るか──株主構成と議決権の壁
  4. 下値は堅いか──配当・増配・自社株買い余力
  5. 出口はどこか──シナリオ別試算値
  6. 過去の打率は──実績と勝率
  7. 撤退の兆候は──エグジットシグナルと検知条件
  8. まとめ──スコアの構成と根拠

1. 割安か──バリュエーション指標

今の株価は割高か割安か。PBR・PER・NC比率などの指標から、複数のアプローチで株価水準を検証します。
PBR(実質)?
業種中央値0.98倍
EV/EBITDA?
業種中央値15.81倍
ROICスプレッド?
ROIC 4.6% − WACC 5.1%

→ PBR(実質) 1.43倍は業種中央値を46%上回る水準だが、ネットキャッシュが時価総額の39%を占める資産構成が下値を支えている。清原式PER 12.3倍は通常PER 19.5倍より大幅に低く、市場が現金の厚みを評価に織り込みきれていない可能性と、その現金の活用不足という改善圧力の対象が共存している。資本コストを下回るROIC(-0.50%スプレッド)を考慮すると、現在の株価評価は事業の収益性ではなく、潤沢な資産背景に依存した構成と言える。

根拠データ
判定基準
PBR(実質):
含み益(不動産・政策保有株等)を加味した純資産に対する株価倍率。業種中央値との乖離で割安/割高を判断する基礎指標。1.0倍未満: 割安圏、1.0-1.5倍: 中立圏、1.5倍以上: 割高圏。

EV/EBITDA:
企業価値(時価総額+有利子負債−現金)÷ EBITDA。キャッシュフローベースの企業価値評価。業種中央値比0.8未満: 割安圏、0.8-1.2: 中立圏、1.2超: 割高圏。EBITDAが取得できない場合はPER(清原式)で代替。

ROICスプレッド:
ROIC − WACC。プラスなら資本コスト以上の利益を創出(価値創造)、マイナスなら価値破壊。10%超: 強い価値創造、0-10%: 中立水準、マイナス: 価値破壊。

NC比率(清原式):
ネットキャッシュ(流動資産+投資有価証券×70%−負債合計)÷時価総額。高いほどアクティビストが還元強化を要求する根拠が強くなる。
市場評価 vs 実力値

株価: 1,454円 / 発行済株式数: 237,720,914株

指標市場の評価実力値(調整後)業種中央値
PBR 1.43倍 PBR(実質) 1.43倍 0.98倍
PER 19.50倍 PER(清原式) 12.3倍 14.6倍
純資産 2,316億円 修正純資産 2,316億円 -
時価総額 3,455億円 理論時価総額 3,831億円 -
配当還元 - 潜在利回り 2.56% 配当性向中央値29.8%
EV/EBITDA 17.50倍 - 15.81倍
NC比率(清原式) 39.3% 目安 約10%
NC額(清原式)1,357億円
├ 流動資産2,445億円
├ 投資有価証券52億円(×70%)
└ 負債合計1,125億円
📝 指標の説明
  • PBR(株価純資産倍率): 株価÷1株あたり純資産(簿価)。会社を今すぐ解散した場合の資産価値に対して、株価が何倍かを示す。1.0倍なら帳簿上の資産と株価が同じ。1倍割れは東証の「資本コストや株価を意識した経営」要請の対象。アクティビストが「株主資本を有効活用できていない」と指摘する最も基本的な根拠になる。
  • PBR(実質): 含み益(不動産・有価証券の時価と簿価の差額)を加味した修正純資産ベースのPBR。帳簿に載っていない「隠れた資産価値」を反映する。簿価PBRが1倍超でも、不動産や株式の含み益を加えると実質的に割安になるケースがある。アクティビストは実質PBRを重視し、含み資産の売却・活用を要求する根拠にする。
  • PER(株価収益率): 株価÷1株あたり利益(EPS)。今の利益水準で投資額を回収するのに何年かかるかの目安。低いほど利益に対して株価が割安。業種中央値より高ければ市場の期待が大きい。低ければ過小評価されている可能性があり、アクティビストが「株価を引き上げる施策」を要求する根拠になりうる。
  • PER(清原式): (時価総額 − ネットキャッシュ) ÷ 純利益。余剰現金を差し引き、事業の利益力だけに対するPERを算出する。通常PERより低くなるほど「現金の厚み」が株価に織り込まれていない。清原式PERが業種中央値を大幅に下回る企業は、現金を抱え込んだまま事業効率を高めていない可能性が高く、アクティビストの還元要求の典型的な対象。
  • 修正純資産: 簿価の純資産に、保有不動産の含み益・有価証券の含み益を加算した「実態ベース」の純資産額。この金額が大きいほど企業の「隠れた資産」が多い。遊休資産の売却、政策保有株の解消、不動産のリート化など、アクティビストが資産活用を要求する原資の規模を示す。
  • EV/EBITDA: 企業価値(時価総額+有利子負債−現金)÷ EBITDA(利払前・税引前・減価償却前利益)。減価償却の影響を除いたキャッシュフローベースの企業価値倍率。M&A(企業買収)で最も使われる値付けの尺度。業種中央値より低ければ買収対象として割安であり、TOB(公開買付け)の可能性を測る目安にもなる。
  • NC比率(清原式): ネットキャッシュ(流動資産+投資有価証券×70%−負債合計)÷時価総額。時価総額に対して余剰現金をどれだけ抱えているかの比率。この比率が高い企業は「現金を溜め込んでいる」とみなされる。自社株買い・増配・特別配当の要求根拠になり、比率が高いほどアクティビストの介入動機が強い。
  • 理論時価総額: 清原式事業価値モデル(モデルB)による試算値。算式: 理論時価総額 = 適正事業価値 + ネットキャッシュ。適正事業価値 = (市場評価の事業価値 ÷ PER清原式) × 業種PER中央値。現在の事業利益を業種平均の評価倍率で再評価し、余剰現金を加算した理論上の企業価値。理論時価総額が現在の時価総額を上回る場合、市場が企業価値を過小評価している可能性を示す。アクティビストはこの乖離を根拠に、株主還元や資本政策の見直しを要求する。
  • 潜在利回り: 配当性向を引き上げた場合に実現しうる理論上の配当利回り。算式: 潜在利回り = EPS × MAX(業種配当性向中央値, 50%) ÷ 株価。配当性向の下限を50%に設定する根拠は、東証が上場企業に求める資本コスト経営の水準と、アクティビストが一般的に要求する配当性向の最低ラインに基づく。潜在利回りが現在利回りを大きく上回る場合、増配余力が大きいことを意味し、アクティビストの増配要求が企業価値向上に寄与するシナリオの蓋然性が高い。
セクター相対評価

業種: 電気機器(33業種分類)

指標 当社値 業種中央値 対業種比
PBR 1.43倍 0.98倍 1.47倍
ROE 3.5% 6.4% 0.54倍
PER 19.50倍 14.55倍 1.34倍
配当性向(実績) 132.7% 29.8% 4.45倍
📝 指標の説明
  • 対業種比: 当社値÷業種中央値。1.0=業種平均水準
  • 業種内順位(%ile): 業種内でのパーセンタイル順位。PBR・PER: 低%ile=割安 / ROE: 高%ile=高効率
  • ROE(自己資本利益率): 純利益÷自己資本。株主の出資に対してどれだけ効率的に利益を稼いでいるか。8%未満なら東証の「資本コストを意識した経営」要請の対象。アクティビストが改善を要求する根拠になる。
  • 配当性向(実績): 直近実績の純利益のうち配当に回した比率。会社予想ベースの配当性向はS4に記載。低すぎれば増配要求の余地が大きい。高すぎれば持続性に問題があり、利益成長が求められる。
資本効率・価値創造
指標
Beta(1年)? 0.77
株主資本コスト? 5.6%
WACC? 5.1%
ROIC? 4.6%
ROICスプレッド? -0.5%
EVA(経済的付加価値)? -14億円
デュポン分析?
売上高純利益率? 3.1%
総資産回転率? 0.76回
財務レバレッジ? 1.49倍
ROE? 3.5%
負債構造
D/Eレシオ? 0.21倍

出典: EDINET有価証券報告書 (S100W670)大量保有報告書 (S100XWKV)

【編集部注】 PBRは業種中央値超えだが、ネットキャッシュと負のROICスプレッドが共存。アクティビストはどう動くでしょうか。


2. どう動くか──介入シナリオと行動確率

大量保有報告書は出した──次の問いは、純投資のままか、経営に変化を求めるか。報告書の文言・過去の行動パターンから、介入の方向性と確率を読みます。
行動確率?
過去8件中6件

→ 行動確率75%(過去8件中6件)で信頼性は十分。3DIPは「純投資」と記載しつつも、低い資本効率の企業に対してM&Aイベント創出や事業再編を迫る実績がある。カシオ計算機の低ROE(3.48%)と負のROICスプレッド(-0.0049)は、同ファンドが過去に介入した低資本効率企業の典型的な特徴と一致しており、今後具体的な要求行動に移る蓋然性が高い。

主要戦略: 資本効率改善要求 / 副次的な戦略: ガバナンス改善要求

推定取得単価1,198円に対し現在株価1,454円(乖離+21.3%)。含み益圏内。

共同保有者・貸株・担保契約:いずれも本報告書に記載なし

📝 指標の説明
  • 行動確率: このアクティビストの過去の全保有案件のうち、実際に株主提案・増配要求等の行動に移った割合。75%以上なら過去の実績上ほぼ確実に動く。50%未満なら純投資で終わる可能性も。
  • 推定取得単価: 大量保有報告書の記載(取得価格×株数)から加重平均で算出した1株あたり推定コスト。現在株価がこれを下回ると含み損。撤退圧力が発動する水準であると同時に、追加買い増しの動機にもなる。
  • 共同保有者: 同一目的で株式を共同保有する者。報告書の「共同保有者」欄に記載。共同保有者がいれば実質的な議決権はその合算。表面上の保有比率より影響力が大きい場合がある。
  • 貸株・担保契約: 保有株式の貸株や担保提供の有無。貸株に出していれば議決権行使時に回収が必要。担保差入れがあれば追加投資の制約になりうる。
根拠データ
判定基準
行動確率:
このアクティビストの過去の全保有案件のうち、実際にエスカレーション(株主提案・対話要求等)に移った比率。75%なら4件中3件で行動に転じた実績。保有目的文言はテンプレート化されていることが多いため、文言一致ではなく全案件ベースで算出。灰色固定表示。

ISS/Glass Lewis基準該当: 一般公開基準への形式的該当を示す。実際の個別推奨は非公開(有料レポート)のため「反対推奨された」と断定するものではない。
トラックレコード(保有目的 vs 実行動)
過去の行動実績(典型的な保有目的: 「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこ…)
分析対象案件: 12件
実際の行動に移った確率: 75% (過去8件中6件)

行動に移った事例:
富士ソフト(2022年)
非公開化提案、独自オークション実施、特別委員会設置強制 → KKRによるTOB成立
サッポロホールディングス(2022年)
不動産事業切り離し要求、グループ戦略検討委員会設置、人事介入 → 不動産事業への外部資本導入決定
東芝(2020年以前)
会社分割案に反対、戦略的レビュー強要 → JIPによるTOB成立
スクウェア・エニックス・ホールディングス(2024年)
経営体制刷新要求、100ページ超の改善要求書公開 → 現在進行中
東邦ホールディングス(2020年)
提訴請求、第三者委員会設置要求 → 現在進行中
JSR(時期不明)
TOB公表後に全株式を応募 → 友好的エグジット
行動なし(保有目的のまま)
6件

保有事由の変遷(16件): 事由変更 3件 / 同一事由 13件

▼ 保有事由が変更された銘柄:

焼津水産化学工業株式会社(2812) 保有 0.00%
初回 2023-09-19
純投資
最終 2024-04-02
-
東北新社(2329) 保有 17.36%
初回 2023-03-20
投資一任契約に基づく純投資
最終 2024-11-14
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。
富士ソフト株式会社(9749) 保有 0.00%
初回 2021-12-13
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。
最終 2024-11-12
-
同一事由の 13件を表示
三井倉庫ホールディングス(9302) 保有 11.15%
初回 2025-05-08
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2025-09-12 同一事由
スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 保有 17.50%
初回 2025-04-28
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2026-02-04 同一事由
日鉄ソリューションズ(2327) 保有 9.40%
初回 2024-08-26
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2025-02-14 同一事由
東邦ホールディングス(8129) 保有 21.19%
初回 2024-06-24
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2025-08-27 同一事由
ワコールホールディングス(3591) 保有 10.77%
初回 2024-06-11
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2024-11-14 同一事由
西武ホールディングス(9024) 保有 5.75%
初回 2024-05-14
純投資及び状況に応じて、経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2024-11-14 同一事由
エイベックス(7860) 保有 4.55%
初回 2024-03-28
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。
最終 2024-03-28 同一事由
APAMAN株式会社(8889) 保有 0.00%
初回 2024-02-13
-
最終 2024-02-13 同一事由
サッポロホールディングス(2501) 保有 19.44%
初回 2023-10-19
純投資及び状況に応じて、経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。
最終 2025-01-23 同一事由
ジャパンマテリアル(6055) 保有 4.89%
初回 2023-06-19
投資一任契約に基づく純投資
最終 2023-06-19 同一事由
株式会社東芝(6502) 保有 4.90%
初回 2023-03-29
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。
最終 2023-03-29 同一事由
メディシノバ・インク(4875) 保有 11.22%
初回 2022-07-15
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。
最終 2024-11-14 同一事由
デジタルホールディングス(2389) 保有 4.91%
初回 2022-03-07
投資一任契約に基づく純投資
最終 2022-03-07 同一事由

※ 事由変更ありの行は左線ハイライト。報告日リンクからEDINETの1次情報を確認できます。

大量保有報告書の提出履歴(全件)
報告日株価保有比率保有目的
2026-04-02 5.03% 純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。

出典: 大量保有報告書 (S100XWKV)

【編集部注】 3DIPの行動確率は75%と高く、要求行動の蓋然性が高い。提案は受け入れられるでしょうか。


3. 提案は通るか──株主構成と議決権の壁

株主提案は通るか。固定株主の壁と浮動株の構成から、アクティビストの議決権戦略が成立する条件を検証します。
実質安定株主比率?
壁の合計(鈴木式)
アクティビスト保有?
最新報告書

→ 実質安定株主比率22.8%は、過去の勝ちケースと比較しても極めて低い水準であり、議決権行使による提案可決の障壁は極めて限定的である。大株主の多くは信託口や機関投資家であり、3DIPの論理的な改善提案がISS等の助言会社の支持を得られれば、経営陣の防衛は困難な構成。

根拠データ
判定基準
実質安定株主比率:
鈴木式固定株分析。A(その他法人) + B(政府) + C(自己株式) + D(個人大株主) + E(政策保有金融×0.7) + F(外国戦略株主) + G(オーナー系ファンド) + H(持株会×0.5) − I(国内VC控除)。70%以上: 壁が厚い、30-70%: 中間水準、30%未満: 攻略しやすい。

アクティビスト保有比率:
最新の大量保有報告書に基づく保有比率。参考情報として灰色表示。

オーナー持株比率:
CEO・関連資産管理会社の合計保有比率。20%超: 拒否権に近い水準、5-20%: 中間水準、5%未満: 低水準。

外国法人等保有比率:
海外機関投資家・ファンド等の保有比率。外国法人等の比率が高い企業は株主還元・ガバナンス改善への圧力が強い傾向があり、アクティビストの提案が賛同を得やすい環境を示す。
安定株主比率の内訳(鈴木式)
指標
実質安定株主比率(鈴木式) 22.8%
├ A. その他法人 4.5%
├ B. 政府・公共団体 0.0%
├ C. 自己株式 4.1%
├ D. 個人大株主 1.6% (樫尾隆司)
├ E. 政策保有金融(×0.7) 12.7% (18.2% × 0.7) (株式会社SMBC信託銀行,日本生命保険相互会社,株式会社三菱UFJ銀行,株式会社三井住友銀行,三井住友信託銀行株式会社,住友生命保険相互会社)
├ F. 外国戦略株主 0.0%
├ G. オーナー系ファンド 0.0%
├ H. 持株会・共栄会(×0.5) 0.0%
└ I. 国内VC控除 −0.0%

※ A・B・Cは発行済株式ベース、D・E・G・Hは大株主データ(自己株式除外ベース)のため、内訳の単純合計と比率は一致しない場合があります。

所有者別構成(法定開示区分)
金融機関52.3%
証券会社3.4%
その他法人4.5%
外国法人等18.1%
個人その他21.6%
自己株式4.1%
大株主一覧(上位10名)
#株主名所有者区分持株比率保有株数(千株)
1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 金融機関 17.2% 39,303,000
2 株式会社日本カストディ銀行 金融機関 10.9% 24,963,000
3 株式会社SMBC信託銀行 金融機関 6.4% 14,567,000
4 日本生命保険相互会社 金融機関 5.7% 12,985,000
5 STATESTREETBANKANDTRUSTCOMPANY505103(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部) 外国法人等 2.3% 5,242,000
6 株式会社三菱UFJ銀行 金融機関 1.8% 4,097,000
7 STATESTREETBANKANDTRUSTCOMPANY505001(常任代理人株式会社みずほ銀行決済営業部) 外国法人等 1.7% 3,884,000
8 樫尾隆司 個人その他 1.6% 3,616,000
9 株式会社三井住友銀行 金融機関 1.5% 3,495,000
10 公益財団法人カシオ科学振興財団 その他法人 1.5% 3,350,000
支配構造リスク
リスク項目判定詳細
オーナー管理
判定結果CEOまたは資産管理会社が大株主5%以上に該当せず
非該当 -
親子上場
判定結果親会社に該当する上場企業なし
筆頭株主日本マスタートラスト信託銀行株式会社(17.2%)
非該当 -
筆頭株主が上場企業 -
上場大株主あり(20%超) -
政策保有・相互保有
#銘柄名コード株数時価持ち合い
1 (株)三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 735,310株 2,065百万円
2 (株)三井住友フィナンシャルグループ 8316 119,731株 653百万円
3 三井住友トラスト・ホールディングス(株) 8309 120,982株 626百万円
4 (株)ヤマダホールディングス 9831 1,016,000株 541百万円
5 (株)リョーサン 8140 109,923株 541百万円
6 上新電機(株) 8173 150,000株 430百万円
7 (株)ビックカメラ 3048 62,976株 110百万円
8 DCMホールディングス(株) 3050 16,940株 28百万円
9 日本BS放送(株) 9414 24,000株 23百万円
10 (株)コジマ 7513 10,000株 13百万円
11 (株)ケーズホールディングス 8282 7,600株 13百万円
12 (株)伊藤園 2593 4,000株 7百万円
13 (株)エディオン 2730 3,000株 7百万円
14 (株)丸井グループ 8252 N/A N/A
15 住友不動産(株) 8830 N/A N/A
16 都築電気(株) 8157 N/A N/A
17 (株)アシックス 7936 N/A N/A
18 (株)伊藤園第1種優先株式 1,200株 N/A
19 (株)TBSホールディングス 9401 N/A N/A
20 大正製薬ホールディングス(株) 4581 N/A N/A
21 リョーサン菱洋ホールディングス(株) 167A N/A N/A
22 オリンパス(株) 7733 N/A N/A
23 日本電気硝子(株) 5214 N/A N/A
24 (株)オンワードホールディングス 8016 N/A N/A
LOW 対時価総額比率1.2%
📝 指標の説明
  • 実質安定株主比率: 鈴木式9変数モデル。A+B+C+D+E×0.7+F+G+H×0.5−I。30%未満=攻略しやすい、30-70%=拮抗、70%以上=壁が厚い。この比率が低いほどアクティビストの委任状争奪で賛同票を集めやすい。
  • A. その他法人: 事業法人・持株会社等(所有者別状況)。取引先持ち合い等の固定株の中核
  • B. 政府・公共団体: 国・地方自治体・公的機関の保有分。政策的に売却されにくい完全固定株
  • C. 自己株式: 会社自身が保有する株式。議決権がなく、消却すれば1株あたり価値が上昇する。自己株式の消却要求はアクティビストの定番施策。
  • D. 個人大株主: 創業家・役員本人または同姓の個人。経営権に直結し最も固定度が高い
  • E. 政策保有金融(×0.7): 銀行・生損保等。東証の政策保有解消要請を受け3割は流動化リスクありとみなし係数0.7で割引
  • F. 外国戦略株主: 海外の事業パートナー等による戦略的保有。純投資ではなく売却されにくい
  • G. オーナー系ファンド: 創業家の資産管理会社等。オーナーの意向で固定される株式
  • H. 持株会・共栄会(×0.5): 従業員・取引先持株会。半分は退職・脱退で流動化するため0.5倍で算入。持株会が厚いと安定株が多いが、係数0.5なので壁としては薄い。
  • I. 国内VC控除: ベンチャーキャピタル・投資組合等。Exit狙いの純投資家であり固定株から完全除外
  • 所有者区分: 有価証券報告書の法定開示区分。金融機関(信託銀行含む)・証券会社・その他法人・外国法人等・個人その他・自己株式に分類。外国法人等の比率が高い企業はガバナンス改善圧力が強く、アクティビストの提案に賛同票が集まりやすい。
  • オーナー管理: CEOまたはその資産管理会社が大株主に名を連ね保有比率5%以上の場合に該当。経営陣の支配力が強くアクティビストの提案が通りにくい。ただし対話型アプローチで改善を引き出すケースもある。
  • 親子上場: 親会社が過半数保有でCRITICAL、20%超大株主でHIGH。固定株が多く提案が通りにくい。上場親会社による支配はガバナンス上の論点であり、アクティビストの分離・独立要求の対象になりうる。
  • 筆頭株主が上場企業: 最大株主が上場企業であるか。親子上場に準ずる構造的課題を示す。議決権支配によりアクティビストの提案が否決されるリスクがある。
  • 上場大株主あり(20%超): 20%超を保有する上場企業の大株主がいるか。親子上場に準じるリスク。安定株主の壁として機能しアクティビストに不利。
  • 政策保有リスク: HIGH=対時価総額比率5%超 / MODERATE=1-5% / MINIMAL=1%未満。売却すれば株主還元の原資になりうる。東証の政策保有解消要請が追い風。
  • 持ち合い: 当社の株式を相手方も保有している相互保有関係。有報の「当該株式の発行者による当社株式の保有の有無」に基づく

※ 安定株主比率の各項目は有価証券報告書(EDINET開示)のXBRLデータに基づいています。解析精度により一部データが正確に取得できていない場合があります。

ガバナンス
指標
社外取締役比率 45% (5名 / 11名)
社外役員比率(取締役+監査役) 45%
買収防衛策 TDnet開示なし
取締役・監査役一覧
氏名役職区分保有株数持株比率
樫尾和宏 代表取締役会長 取締役 923,000株 0.0%
樫尾哲雄 取締役常務執行役員CS本部長 取締役 631,000株 0.0%
増田裕一 代表取締役社長CEO 取締役 47,000株 0.0%
高野晋 取締役常務執行役員CFO 取締役 32,000株 0.0%
山岸俊之 取締役執行役員コーポレートガバナンス戦略担当 取締役 26,000株 0.0%
山口昭彦 取締役監査等委員(常勤) 取締役 3,000株 0.0%
廣田康人 取締役 社外取締役 1,000株 0.0%
千葉通子 取締役 監査等委員 社外取締役 0株 0.0%
阿部博友 取締役 監査等委員 社外取締役 0株 0.0%
数原英一郎 取締役 社外取締役 0株 0.0%
尾﨑元規 取締役 社外取締役 0株 0.0%

※「社外」はEDINET開示の役職名に基づく分類。

📝 指標の説明
  • 社外取締役比率: 独立した外部の人が取締役会に占める割合。過半数なら株主提案が通りやすい
  • 社外役員比率: 取締役と監査役を合わせた全役員に対する社外役員の割合
  • 買収防衛策: TDnet適時開示のタイトルマッチで判定。有報本文・XBRLは未参照。開示がない場合、未導入とは限りません

出典: EDINET有価証券報告書 (S100W670)

【編集部注】 実質安定株主比率22.8%は提案可決の障壁が低い。一方で、財務上の歪みは下値を支えるでしょうか。


4. 下値は堅いか──配当・増配・自社株買い余力

株価が下がったらどこまで耐えられるか。現在の配当利回り・増配要求が通った場合の利回り変化から、配当込みの損益分岐ラインを試算します。
配当利回り?
現在水準
総還元性向?
配当+自社株買い÷純利益

配当性向(実績): 132.7%

→ 配当利回りデータは未取得だが、実績配当性向 132%という過剰還元状態と、時価総額の31%に及ぶ自社株買い余力の存在が、財務的な歪みを象徴している。FCFデータが未取得のためキャッシュフロー面からの持続性は検証できていないが、利益を上回る還元は本業の収益性改善なしには持続困難であり、アクティビストによる「還元原資確保のための構造改革」要求の論拠となりやすい。現在の高い還元性向は下値支持要因というより、むしろ経営陣が追い詰められている証左と評価される。

根拠データ
判定基準
配当利回り:
1株あたり配当 ÷ 株価。現在の水準での基本指標。

総還元性向:
(配当+自社株買い)÷純利益。80%未満: 健全水準、80-100%: 高水準、100%超: 利益以上に還元しており持続不能。

配当性向:
① AI推定配当性向: このアクティビストの過去の増配要求実績(1件以上)と財務指標を統合してAIが推定した配当性向。
② シミュレーション配当性向: 過去実績なしの場合、MAX(業種配当性向中央値, 50%)を仮定値として使用。これは仮定に基づく試算であり、予測ではない。

増配余力:
NC比率が高いほど現金余剰が大きく、配当性向を引き上げても財務の安全性を損なわない。総還元性向100%超は持続不能。

本銘柄は無配(または配当シミュレーション非対象)のため、増配シミュレーションは省略しています。

配当・還元データ
指標判断
NC比率? 39.3% 時価総額の約4割が余剰現金。増配原資は潤沢
総還元性向? 132.7% 利益以上に還元しており持続不能
FCF利回り? FCFデータなし — 配当の持続可能性をキャッシュフローで検証できません。決算短信のCF計算書でご確認ください
業種配当性向中央値? 29.8% 現在132.7%は既に業種を上回る水準
配当実績
配当性向(予想)? N/A
DOE? 4.6%
配当成長率(前年比)? 0.0%
配当CAGR(3年)? 0.0%
自社株買い
自社株買い余力? 1,086億円
自社株買い余力比率? 31.4%

出典: EDINET有価証券報告書 (S100W670)

【編集部注】 過剰還元とFCFデータ不足は財務持続性に課題。株価試算値はどの水準が想定されるでしょうか。


5. 出口はどこか──シナリオ別試算値

何が起きたら、いつまでに、いくらで売れるのか。出口が見えなければ全体像が掴めない。
ここまでの分析を統合し、カタリストのスケジュールとトリガー条件から3シナリオの出口を描きます。
3シナリオ試算値レンジ?
弱気1,015円〜強気1,694円

現在株価: 1,454円

→ 試算値レンジ1,015円〜1,694円と幅がある中で、清原式PERモデル(1,612円)と配当還元モデル(1,694円)が現在株価1,453.5円を上回る試算値を示している。これは、潤沢なネットキャッシュの活用や配当性向の改善が株価上昇の主要な論拠となることを示唆する。推定取得単価1,198.15円を上回る水準にあるが、3Dインベストメントが過去に取得単価の1.5倍以上のリターンを実現している実績を考慮すると、現在の株価はまだ利益確定の最終水準ではないと評価される。

根拠データ
判定基準
3シナリオ試算値レンジ:
5つの理論株価モデルの最小値〜最大値。現在株価がレンジのどこに位置するかで割安/割高を視覚的に把握。

理論株価5モデル:
A: 清原式事業価値+余剰現金 / B: PBR(実質)是正 / C: EV/EBITDA逆算 / D: 配当還元 / E: DOE逆算
理論株価試算値 = 常に算出可能な3モデル(A・B・D)の中央値。

推定取得単価: 大量保有報告書の記載から逆算。アクティビスト側の損益分岐であり、撤退圧力の発動水準。
3シナリオのトリガー条件
シナリオ試算値現在株価比トリガー条件(何が起きたら)
強気 1,694円 +16.5% 大規模なM&Aイベント(TOBや事業売却)の発表、または3Dインベストメントによる具体的な非公開化提案が会社側に受け入れられること。
中立 1,612円 +10.9% 経営陣がPBR改善計画や自社株買いを発表するものの、抜本的な構造改革には至らず、株価がモデル試算値中央値付近で推移すること。
弱気 1,015円 -30.2% 3Dインベストメントの追加取得が停滞し、経営陣との対話が膠着。株主提案が否決され、3Dインベストメントが保有比率を5%未満に縮小し撤退すること。
下値参照 1,198円 -17.6% 推定取得単価。これを下回ると撤退圧力が発動する水準
理論株価5モデル比較
モデル理論株価現在株価比
事業価値+余剰現金(清原式)
PER(清原式) 12.3倍 → 業種PER中央値 14.6倍 で事業を再評価し、NCを加算
NC 135,660百万円 + 適正事業価値 247,474百万円 = 理論時価総額 383,134百万円
→ 理論株価: 1,612円
1,612円 +10.9%
EV/EBITDA逆算
EV = EBITDA × 業種EV/EBITDA中央値 → 理論時価総額 = EV − 有利子負債 + 現金
→ 理論株価: 1,325円
1,325円 -8.8%
配当還元
配当性向をMAX(業種中央値29.8%, 50%)=50.0%とした場合
潜在EPS 74.5円 × 50.0% = 潜在DPS 37.3円
→ 理論株価: 1,694円(要求利回り TOPIX平均2.2%)
1,694円 +16.5%
DOE逆算(3%ターゲット)
BPS × ターゲットDOE(3%) ÷ 要求利回り(2.2%)で算出。
算出不可: BPS(1株純資産)が未取得
N/A BPSが未取得
PBR(実質)是正
PBR(実質) 1.43倍 → 適用PBR 1.00倍(業種中央値0.98倍)
→ 理論株価: 1,015円
修正純資産 2,316億円(不動産含み益データなし)
※ PBR(実質)を業種中央値に機械的に収斂させた参考値。高ROE企業では過度に保守的な試算となります
1,015円 -30.2%
理論株価試算値(中央値)
常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。
算出可能モデル数: 3件 → 中央値: 1,612円
1,612円 +10.9%
下値参照(推定取得単価)
推定取得単価 1,198円 に対し現在株価 1,454円(乖離 +21.3%)。
※推定取得単価は大量保有報告書記載の取得価格・株数から加重平均で算出(提出日: 2026-04-02)
1,198円 撤退圧力発動水準

※理論株価試算値は常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。

📝 指標の説明
  • 事業価値+余剰現金(清原式): PER(清原式)を業種中央値PERで再評価し、ネットキャッシュを加算した理論株価。事業の利益力を業種標準で評価した「フェアな値段」。これより安ければ市場が事業価値を過小評価している。
  • PBR(実質)是正: 修正純資産×業種中央値PBRで算出。資産ベースの理論株価。PBRが業種中央値に収斂する想定。含み益が大きい企業ほどこのモデルでの理論株価が高くなる。
  • EV/EBITDA逆算: 業種中央値のEV/EBITDA倍率でEBITDAを再評価し、負債と現金を調整して株価を逆算。グローバルM&Aで最も使われる尺度。買収される場合の「値段」に近い。
  • 配当還元: 増配後の想定DPSを市場平均配当利回りで割り引いた理論株価。増配要求が通った場合の潜在株価。配当性向引き上げの余地が大きいほど理論株価が高くなる。
  • DOE逆算: BPS×ターゲットDOE(3%)÷要求利回り。自己資本配当率をベースにした理論株価
  • 推定取得単価: 大量保有報告書に記載される取得価格と株数の加重平均。複数回の報告がある場合は直近の値を使用。これがアクティビストのコスト。この水準を意識して行動するため、撤退・追加投資の分岐点になる。
  • 理論株価試算値(中央値): 常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。外れ値の影響を排除した代表値
このアクティビストの過去の行動パターン
銘柄行動内容結果
スクウェア・エニックス・ホールディングス(2024年) 100ページ超の改善要求書を公開し、経営体制の刷新を要求した。 株価は思惑により乱高下しているが、決定的なカタリストは未発生(係争中)。
サッポロホールディングス(2022年) 不動産事業の切り離しを迫り、詳細な事業分析資料を公表した。 会社側は不動産事業への外部資本導入を決定し、株価は約225%上昇した。
東邦ホールディングス(2020年) 不祥事を梃子に提訴請求や第三者委員会の設置を要求した。 会社側は反発しているが、ガバナンスへの注目度は高まっている(係争中)。
パターン分析(AI抽出値):
3DIPは初期保有比率5%台から、対象企業の特性に応じて10%〜20%超まで買い増す傾向がある。カシオ計算機においても、今後数ヶ月から数年で追加取得を進め、具体的な要求を伴うキャンペーンを開始する蓋然性が高い。
※ 上記はAIが抽出した参考値です。SQLによるルールベース集計ではありません。

出典: 大量保有報告書 (S100XWKV)EDINET有価証券報告書 (S100W670)

【編集部注】 理論株価試算値は現在株価を上回る。3DIPの過去実績は、より高い価値解錠を示唆するでしょうか。


6. 過去の打率は──過去8件でTOPIXに勝てたか

このアクティビストは過去、市場平均に勝てたか。勝率が低くても、個別の需給・財務条件が違えば結果は変わる──その違いをS1〜S5で多面的に検証してきました。
勝率(1年)?
8件中
超過リターン中央値?
TOPIX対比・1年

期待値スコア: 23.1

→ 実額ベースでは過去1年で87.5%(8件中)がプラスリターンを記録している。TOPIX超過勝率も87.5%(8件中)と極めて高く、市場平均を大幅に上回る実績を持つ。超過リターン中央値は26.42%であり、3DIPは構造的欠陥を解消することで大きな価値を解錠する能力が高い。直近のサッポロホールディングス(+26.42%)や東北新社(+68.48%)の事例からも、同ファンドの介入が株価に与える影響は大きいと評価される。

根拠データ
判定基準
大量保有報告書が公開された翌営業日の始値を基準に、その後の株価パフォーマンスを検証しています。
「勝ち」= 報告書公開翌営業日の始値を起点に、1年後の株価リターンがTOPIXを上回った案件
対象:3Dインベストメントの過去12件の大量保有案件(うち1年以上経過し成績が確定した8件で勝率を算出)

勝率: 60%以上は市場平均を上回る傾向、50%未満は市場平均を下回る傾向。
超過リターン中央値: プラスなら市場平均を上回る実績。

※ リターンは報告翌営業日の始値から一律1年後の株価で算出しており、アクティビストの途中撤退は考慮していません。
開示翌日基準の成績(報告翌営業日始値)
期間 勝率 リターン中央値 リターン平均値 対象件数
3ヶ月 100% 20.5% 15.1% 11
6ヶ月 64% 9.1% 18.2% 11
1年 88% 26.4% 29.8% 8
2年 100% 86.1% 83.6% 4

(参考)絶対リターン: 1年勝率 88% / 平均+45.1%、 2年勝率 100% / 平均+121.1%

📝 指標の説明
  • 期待値スコア: 勝率×超過リターン中央値。プラスなら「平均的に市場を上回る」ことを示す総合指標。スコアがプラスのアクティビストは、過去に市場平均を上回る成果を出してきた実績がある。
  • 勝率: このアクティビストの過去投資先のうち、同期間のTOPIXリターンを上回った銘柄の割合。50%超なら市場平均に勝つ確率が高い
  • リターン中央値: TOPIX対比の超過リターンの中央値。典型的なケースでの実力を示す。外れ値の影響を受けにくい
  • リターン平均値: TOPIX対比の超過リターンの平均値。大きなリターンを出した銘柄の影響を受けやすい
  • 対象件数: 分析に使用した過去の投資先銘柄数。多いほど統計的信頼性が高い
  • 絶対リターン vs TOPIX超過リターン: 絶対リターンは株価の変動率そのもの。超過リターンは同期間のTOPIXリターンを差し引いた値。相場全体が上がった時に超過リターンがマイナスなら、市場に劣後しただけで実額ではプラスの場合もある。両方を見ることで実力を正確に把握できる。
  • スタイル: 積極介入型=株主提案・委任状争奪を積極的に行う / 建設的対話型=対話重視で改善を促す / パッシブ型=大量保有のみで積極的な働きかけは少ない
  • 算出方法の注意: リターンは報告翌営業日の始値から一律1年後(365日後以降の最初の営業日終値)の株価で機械的に算出しており、アクティビストの途中撤退は反映されていません。
アクティビスト自身の成績(推定取得単価基準)
期間 勝率 リターン中央値 リターン平均値 対象件数
1年 83% 56.3% 43.8% 6
2年 50% -87.1% 16.6% 2

※ 報告書記載の推定取得単価を基準にした成績です。取得単価の精度に限界があるため参考値として掲載しています。開示翌日基準(上記メインテーブル)の数値を優先してください。

📝 指標の説明
  • 推定取得単価基準: 大量保有報告書に記載される取得価格と株数から加重平均で算出した1株あたりコストを基準とした成績。これがアクティビストのコスト。この水準を意識して行動するため、撤退・追加投資の分岐点になる。
過去投資先の個別実績(8件)
初回報告日 銘柄 リターン(1年) リターン(2年)
2024-08-26 日鉄ソリューションズ(2327) -25.4% N/A
2024-06-24 東邦ホールディングス(8129) +18.3% N/A
2024-06-11 ワコールホールディングス(3591) +9.8% N/A
2024-05-14 西武ホールディングス(9024) +38.0% N/A
2023-10-19 サッポロホールディングス(2501) +26.4% +9.4%
2023-03-20 東北新社(2329) +68.5% +119.4%
2023-03-20 東北新社(2329) +68.5% +119.4%
2021-12-13 富士ソフト(9749) +34.1% +86.1%

※ リターンはTOPIX超過リターン(報告翌営業日始値基準)。新規報告のみ。

出典: 大量保有報告書 (S100XWKV)

【編集部注】 3DIPは過去87.5%の勝率と高い超過リターンを実現。現在、撤退兆候は見られるでしょうか。


7. 撤退の兆候は──エグジットシグナルと検知条件

4つの撤退シナリオについて、観測データと警戒条件を整理します。
撤退兆候?
4項目中0項目が警戒(2項目は手動確認)

平均保有期間: N/A

📝 指標の説明
  • 撤退兆候: 4つの撤退シナリオ(保有比率減少・要求達成・対話膠着・バリュエーション到達)の該当状況を示すパネル。警戒1項目以上で赤、注視のみで灰、全て兆候なしで緑
  • 平均保有期間: このアクティビストの過去案件における平均保有期間。保有期間が短いファンドは早期売却リスクが高い。長いファンドは腰を据えて改善を求める傾向。
  • エグジットシグナルスコア: 50点満点で撤退リスクの総合度を数値化したもの。5つのシナリオ(保有比率減少・要求達成・議決権敗北・需給反転・バリュエーション到達)の合計。STRONG_HOLD(0-15)=撤退リスク低い / HOLD(16-25)=当面継続 / MONITOR(26-35)=継続監視 / STRONG_EXIT(36-50)=撤退の蓋然性が高い。スコアが高いほどアクティビストが撤退に近い状態。追加報告書の提出頻度と合わせて見ると予測精度が上がる。

→ 自動判定では「注視」レベル。現在株価1,453.5円は推定取得単価1,198.15円を21.3%上回っており、含み益は確保されている。ただし、理論株価試算値中央値1,612円にはまだ到達しておらず、アクティビストの目的達成には至っていない。現時点での撤退兆候は確認できないが、今後、経営陣との対話が膠着した場合や、理論株価試算値に到達した場合は利益確定売りの動機が高まる構成。

根拠データ
判定基準
撤退兆候チェックリスト(4項目):
各項目について「兆候なし / 注視 / 警戒」の3段階で判定。警戒が1項目以上でパネル赤、注視のみで灰、全て兆候なしで緑。

① 保有比率減少: 大量保有報告書の変更報告から自動判定。2回連続で減少した場合に警戒。
② 要求達成: 主要要求(増配・自社株買い・ガバナンス改革等)が実現し保有継続の動機が消滅した場合に警戒。現在は手動確認。
③ 対話膠着: 株主総会での提案否決が複数回続き対話にも応じない状態が長期化した場合に警戒。現在は手動確認。
④ バリュエーション到達: 株価が理論株価試算値に到達、またはPBRが業種中央値に収斂した場合に警戒。自動判定。
撤退シナリオ別チェック
● 兆候なし ① 保有比率減少
観測データ: 保有比率 5.03% →S3
警戒条件: 保有比率が2回連続で減少した場合
判定方法: 自動判定(大量保有報告書の変更報告から前回比較)
─ 自動検知の対象外 ② 要求達成
観測データ: 配当性向132.7%(業種中央値29.8%)
警戒条件: 主要要求(増配・自社株買い・ガバナンス改革等)が実現し、保有継続の動機が消滅した場合
今後のアップデートで対応予定です。現時点では月次追跡記事で手動フォローします。
─ 自動検知の対象外 ③ 対話膠着
観測データ: 実質安定株主比率 22.8%、社外取締役比率 45% →S3
警戒条件: 株主総会での提案否決が複数回続き、経営層が対話にも応じない状態が長期化した場合
今後のアップデートで対応予定です(臨時報告書の議決結果パース)。現時点では月次追跡記事で手動フォローします。
▲ 注視 ④ バリュエーション到達
観測データ: PBR(実質) 1.43倍(業種中央値0.98倍の1.5倍)、推定取得単価 1,198円 → 現在株価 1,454円 →S1
警戒条件: 理論株価試算値に到達、またはPBRが業種中央値に収斂した場合
判定方法: 自動判定(PBR・理論株価と閾値の比較)

本チェックリストは撤退兆候の有無を整理したものであり、売買タイミングの助言を構成するものではありません。

出典: 大量保有報告書 (S100XWKV)EDINET有価証券報告書 (S100W670)

【編集部注】 含み益は確保され理論株価試算値には未達。撤退兆候は未確認。マクロ文脈でどう評価すべきか。


8. まとめ──スコアの構成と根拠

S1〜S7の分析を4つの軸で集約した総合指標。スコアの計算過程とデータ品質を開示します。
総合スコア?
/ 10.0

※ 本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。詳細は末尾の免責事項をご確認ください。

リスク要因: FCFデータなし / 無配 / 総還元性向 133%(持続不能水準) → 電気機器業界はIoTやAI技術の活用、再生可能エネルギーへの移行、M&Aによる事業再編が進む変革期にあり、オムロンの電子部品事業売却や大手半導体企業の統合協議に象徴されるように、資本効率改善への圧力が高まっています。カシオ計算機は直近で好調な第3四半期決算を発表し、自社株買いも実施しましたが、PBR(実質)が業種中央値を上回る一方で [cite: S1] ネットキャッシュが時価総額の39%を占め、ROICスプレッドが-0.50%である資産構成は [cite: S1]、業界全体の効率化トレンドの中で改善圧力の対象となりやすいです。3Dインベストメントがカシオ計算機株の5.03%保有を公表したことは、同ファンドが東邦ホールディングスへの追加情報要請で示すような 積極的な関与姿勢と整合し、過去87.5%の超過リターン実績 [cite: S6] を踏まえると、カシオの潤沢な資産を活用した更なる企業価値向上を促す動機は極めて高いと評価されます。総合スコア8.1は、このような業界再編とアクティビストの行動が重なるマクロ文脈において、カシオが変革を求められる典型的な構成にあることを示唆しています。

根拠データ
判定基準: 総合スコアの算出方法
総合スコア(0.0〜10.0)
4つの分析軸を重み付け平均した総合指標。
composite = (財務×0.30 + 行動×0.35 + 株主構成×0.25 + 実績×0.10) ÷ 5.0 × 10.0

割安か+下値は堅いか(財務 ×30%)
バリュエーション・資本効率・株主還元余力。§1と§4の分析がこの軸に対応。
5=極めて割安+還元余力潤沢、0=割高+効率的。

どう動くか+撤退の兆候は(行動 ×35%)
本気度・行動確率・戦略予測・撤退リスク。§2と§7の分析がこの軸に対応。
5=AGGRESSIVE+高勝率+エスカレーション、0=撤退兆候。

提案は通るか(株主構成 ×25%)
議決権構造・株主構成・浮動株比率。§3の分析がこの軸に対応。
5=壁が薄い+浮動株潤沢+票読みHIGH、0=壁が厚く変更困難。

過去の打率は(実績 ×10%)
アクティビストの過去案件バックテスト。§6の分析がこの軸に対応。
TOPIX超過勝率×超過リターン中央値。データ不足時は0.0。

データ品質
HIGH=データ十分で信頼性高い / MEDIUM=一部欠損あり / LOW=重要データ欠損。

※本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。将来のリターンを保証・予測するものではなく、スコアの高低は売買の推奨を意味しません。

スコア内訳
分析軸スコアウェイトデータ品質?
割安か+下値は堅いか(財務)?3.8 / 5×30%HIGH
どう動くか+撤退の兆候は(行動)?4.0 / 5×35%HIGH
提案は通るか(株主構成)?4.0 / 5×25%HIGH
過去の打率は(実績)?5.0 / 5×10%HIGH
総合スコア?8.1/ 10.0

各軸スコアはS1〜S7の分析データを入力としたAIによるモデル計算値であり、ルールベースの算出ではありません。 同一データに対して実行ごとに微小な差異が生じる場合があります。

AI分析プロセス
アクティビスト意図: 資本効率改善とガバナンス強化
データ品質: VERIFIED   財務分析: HIGH ガバナンス分析: HIGH 株主構成分析: HIGH

ステージ間分析

⚠ ステージ間の矛盾:
  • 財務分析ではROIC-WACCスプレッドが-0.50%と負であり、事業価値の毀損を示唆する一方で、株主構成分析では現在株価が推定取得単価を21.3%上回る高乖離帯にある。これは市場が事業の効率性ではなく、潤沢な資産背景や将来のアクティビスト介入を織り込んでいる可能性を示唆する。
矛盾解消: 市場はカシオ計算機の事業効率の低さを認識しつつも、その厚い資産背景(ネットキャッシュ比率39.3%)とアクティビスト介入による価値解錠の可能性を評価しているため、株価が高乖離帯にあると解釈される。
✔ ステージ間シナジー:
  • カシオ計算機のROIC-WACCスプレッド-0.50%と低ROE3.48%は、3Dインベストメントの「低い資本効率」ターゲットパターンに完全に合致しており、介入の蓋然性を高める。
  • 時価総額の39.3%を占めるネットキャッシュと31.4%の自社株買い余力は、3DIPが過去に実績を持つ「資産売却要求」や「M&Aイベント創出」による資本効率改善の強力な原資となる。
  • 実質安定株主比率22.8%と買収防衛策の不在は、3DIPが綿密なリサーチと世論形成戦術で株主提案を成功させ、経営陣に圧力をかけやすい構成である。
相互作用効果:
  • 財務的な価値毀損(ROIC-WACCスプレッド負)と、ガバナンス分析で示された3DIPの積極的な介入スタイルが組み合わさることで、経営陣は抜本的な構造改革を迫られる可能性が極めて高い。
  • 潤沢なネットキャッシュと大規模な自社株買い余力があるにもかかわらず、現在の配当性向が132.7%と利益を上回る過剰還元状態にあることは、アクティビストが単なる還元強化だけでなく、還元を支えるための事業再編や資産売却を要求する強力な論拠となる。
調査トピック: 電気機器業界の再編動向 / カシオ計算機の決算・IR / 3Dインベストメントの動向 | ※ AI生成・外部情報参照



出典:
EDINET有価証券報告書 (S100W670)
EDINET半期報告書 (S100X1YX)
大量保有報告書 (S100XWKV)
⚠ 重要なお知らせ (Disclaimer)
本レポートは、当サービスが独自に開発したアルゴリズムによる計算結果・統計データを提供するものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 理論株価試算値・スコア等はモデル計算に基づく参考値であり、将来の価格・リターンを保証するものではありません。 データは複数の公開情報源から自動取得しており、正確性を保証するものではありません。重要な判断の際は、必ず1次情報(EDINET・TDnet・企業IR等)でご自身で確認してください。 投資判断はご自身の責任において行ってください。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当サービスは一切の責任を負いません。