→ PBR(実質) 1.43倍は業種中央値を46%上回る水準だが、ネットキャッシュが時価総額の39%を占める資産構成が下値を支えている。清原式PER 12.3倍は通常PER 19.5倍より大幅に低く、市場が現金の厚みを評価に織り込みきれていない可能性と、その現金の活用不足という改善圧力の対象が共存している。資本コストを下回るROIC(-0.50%スプレッド)を考慮すると、現在の株価評価は事業の収益性ではなく、潤沢な資産背景に依存した構成と言える。
株価: 1,454円 / 発行済株式数: 237,720,914株
| 指標 | 市場の評価 | 実力値(調整後) | 業種中央値 |
|---|---|---|---|
| PBR | 1.43倍 | PBR(実質) 1.43倍 | 0.98倍 |
| PER | 19.50倍 | PER(清原式) 12.3倍 | 14.6倍 |
| 純資産 | 2,316億円 | 修正純資産 2,316億円 | - |
| 時価総額 | 3,455億円 | 理論時価総額 3,831億円 | - |
| 配当還元 | - | 潜在利回り 2.56% | 配当性向中央値29.8% |
| EV/EBITDA | 17.50倍 | - | 15.81倍 |
業種: 電気機器(33業種分類)
| 指標 | 当社値 | 業種中央値 | 対業種比 |
|---|---|---|---|
| PBR | 1.43倍 | 0.98倍 | 1.47倍 |
| ROE | 3.5% | 6.4% | 0.54倍 |
| PER | 19.50倍 | 14.55倍 | 1.34倍 |
| 配当性向(実績) | 132.7% | 29.8% | 4.45倍 |
| 指標 | 値 |
|---|---|
| Beta(1年)? | 0.77 |
| 株主資本コスト? | 5.6% |
| WACC? | 5.1% |
| ROIC? | 4.6% |
| ROICスプレッド? | -0.5% |
| EVA(経済的付加価値)? | -14億円 |
| デュポン分析? | |
| 売上高純利益率? | 3.1% |
| 総資産回転率? | 0.76回 |
| 財務レバレッジ? | 1.49倍 |
| ROE? | 3.5% |
| 負債構造 | |
| D/Eレシオ? | 0.21倍 |
出典: EDINET有価証券報告書 (S100W670)、大量保有報告書 (S100XWKV)
【編集部注】 PBRは業種中央値超えだが、ネットキャッシュと負のROICスプレッドが共存。アクティビストはどう動くでしょうか。
→ 行動確率75%(過去8件中6件)で信頼性は十分。3DIPは「純投資」と記載しつつも、低い資本効率の企業に対してM&Aイベント創出や事業再編を迫る実績がある。カシオ計算機の低ROE(3.48%)と負のROICスプレッド(-0.0049)は、同ファンドが過去に介入した低資本効率企業の典型的な特徴と一致しており、今後具体的な要求行動に移る蓋然性が高い。
主要戦略: 資本効率改善要求 / 副次的な戦略: ガバナンス改善要求
推定取得単価1,198円に対し現在株価1,454円(乖離+21.3%)。含み益圏内。
共同保有者・貸株・担保契約:いずれも本報告書に記載なし
保有事由の変遷(16件): 事由変更 3件 / 同一事由 13件
▼ 保有事由が変更された銘柄:
※ 事由変更ありの行は左線ハイライト。報告日リンクからEDINETの1次情報を確認できます。
| 報告日 | 株価 | 保有比率 | 保有目的 |
|---|---|---|---|
| 2026-04-02 | ─ | 5.03% | 純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと。 |
【編集部注】 3DIPの行動確率は75%と高く、要求行動の蓋然性が高い。提案は受け入れられるでしょうか。
→ 実質安定株主比率22.8%は、過去の勝ちケースと比較しても極めて低い水準であり、議決権行使による提案可決の障壁は極めて限定的である。大株主の多くは信託口や機関投資家であり、3DIPの論理的な改善提案がISS等の助言会社の支持を得られれば、経営陣の防衛は困難な構成。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 実質安定株主比率(鈴木式) | 22.8% |
| ├ A. その他法人 | 4.5% |
| ├ B. 政府・公共団体 | 0.0% |
| ├ C. 自己株式 | 4.1% |
| ├ D. 個人大株主 | 1.6% |
| ├ E. 政策保有金融(×0.7) | 12.7% (18.2% × 0.7) |
| ├ F. 外国戦略株主 | 0.0% |
| ├ G. オーナー系ファンド | 0.0% |
| ├ H. 持株会・共栄会(×0.5) | 0.0% |
| └ I. 国内VC控除 | −0.0% |
※ A・B・Cは発行済株式ベース、D・E・G・Hは大株主データ(自己株式除外ベース)のため、内訳の単純合計と比率は一致しない場合があります。
※ 安定株主比率の各項目は有価証券報告書(EDINET開示)のXBRLデータに基づいています。解析精度により一部データが正確に取得できていない場合があります。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 社外取締役比率 | 45% (5名 / 11名) |
| 社外役員比率(取締役+監査役) | 45% |
| 買収防衛策 | TDnet開示なし |
【編集部注】 実質安定株主比率22.8%は提案可決の障壁が低い。一方で、財務上の歪みは下値を支えるでしょうか。
配当性向(実績): 132.7%
→ 配当利回りデータは未取得だが、実績配当性向 132%という過剰還元状態と、時価総額の31%に及ぶ自社株買い余力の存在が、財務的な歪みを象徴している。FCFデータが未取得のためキャッシュフロー面からの持続性は検証できていないが、利益を上回る還元は本業の収益性改善なしには持続困難であり、アクティビストによる「還元原資確保のための構造改革」要求の論拠となりやすい。現在の高い還元性向は下値支持要因というより、むしろ経営陣が追い詰められている証左と評価される。
本銘柄は無配(または配当シミュレーション非対象)のため、増配シミュレーションは省略しています。
| 指標 | 値 | 判断 |
|---|---|---|
| NC比率? | 39.3% | 時価総額の約4割が余剰現金。増配原資は潤沢 |
| 総還元性向? | 132.7% | 利益以上に還元しており持続不能 |
| FCF利回り? | — | FCFデータなし — 配当の持続可能性をキャッシュフローで検証できません。決算短信のCF計算書でご確認ください |
| 業種配当性向中央値? | 29.8% | 現在132.7%は既に業種を上回る水準 |
| 配当実績 | ||
| 配当性向(予想)? | N/A | |
| DOE? | 4.6% | |
| 配当成長率(前年比)? | 0.0% | |
| 配当CAGR(3年)? | 0.0% | |
| 自社株買い | ||
| 自社株買い余力? | 1,086億円 | |
| 自社株買い余力比率? | 31.4% | |
【編集部注】 過剰還元とFCFデータ不足は財務持続性に課題。株価試算値はどの水準が想定されるでしょうか。
現在株価: 1,454円
→ 試算値レンジ1,015円〜1,694円と幅がある中で、清原式PERモデル(1,612円)と配当還元モデル(1,694円)が現在株価1,453.5円を上回る試算値を示している。これは、潤沢なネットキャッシュの活用や配当性向の改善が株価上昇の主要な論拠となることを示唆する。推定取得単価1,198.15円を上回る水準にあるが、3Dインベストメントが過去に取得単価の1.5倍以上のリターンを実現している実績を考慮すると、現在の株価はまだ利益確定の最終水準ではないと評価される。
| シナリオ | 試算値 | 現在株価比 | トリガー条件(何が起きたら) |
|---|---|---|---|
| 強気 | 1,694円 | +16.5% | 大規模なM&Aイベント(TOBや事業売却)の発表、または3Dインベストメントによる具体的な非公開化提案が会社側に受け入れられること。 |
| 中立 | 1,612円 | +10.9% | 経営陣がPBR改善計画や自社株買いを発表するものの、抜本的な構造改革には至らず、株価がモデル試算値中央値付近で推移すること。 |
| 弱気 | 1,015円 | -30.2% | 3Dインベストメントの追加取得が停滞し、経営陣との対話が膠着。株主提案が否決され、3Dインベストメントが保有比率を5%未満に縮小し撤退すること。 |
| 下値参照 | 1,198円 | -17.6% | 推定取得単価。これを下回ると撤退圧力が発動する水準 |
| モデル | 理論株価 | 現在株価比 |
|---|---|---|
| 1,612円 | +10.9% | |
| 1,325円 | -8.8% | |
| 1,694円 | +16.5% | |
| N/A | BPSが未取得 | |
| 1,015円 | -30.2% | |
| 1,612円 | +10.9% | |
| 1,198円 | 撤退圧力発動水準 |
※理論株価試算値は常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。
| 銘柄 | 行動内容 | 結果 |
|---|---|---|
| スクウェア・エニックス・ホールディングス(2024年) | 100ページ超の改善要求書を公開し、経営体制の刷新を要求した。 | 株価は思惑により乱高下しているが、決定的なカタリストは未発生(係争中)。 |
| サッポロホールディングス(2022年) | 不動産事業の切り離しを迫り、詳細な事業分析資料を公表した。 | 会社側は不動産事業への外部資本導入を決定し、株価は約225%上昇した。 |
| 東邦ホールディングス(2020年) | 不祥事を梃子に提訴請求や第三者委員会の設置を要求した。 | 会社側は反発しているが、ガバナンスへの注目度は高まっている(係争中)。 |
出典: 大量保有報告書 (S100XWKV)、EDINET有価証券報告書 (S100W670)
【編集部注】 理論株価試算値は現在株価を上回る。3DIPの過去実績は、より高い価値解錠を示唆するでしょうか。
期待値スコア: 23.1
→ 実額ベースでは過去1年で87.5%(8件中)がプラスリターンを記録している。TOPIX超過勝率も87.5%(8件中)と極めて高く、市場平均を大幅に上回る実績を持つ。超過リターン中央値は26.42%であり、3DIPは構造的欠陥を解消することで大きな価値を解錠する能力が高い。直近のサッポロホールディングス(+26.42%)や東北新社(+68.48%)の事例からも、同ファンドの介入が株価に与える影響は大きいと評価される。
| 期間 | 勝率 | リターン中央値 | リターン平均値 | 対象件数 |
|---|---|---|---|---|
| 3ヶ月 | 100% | 20.5% | 15.1% | 11 |
| 6ヶ月 | 64% | 9.1% | 18.2% | 11 |
| 1年 | 88% | 26.4% | 29.8% | 8 |
| 2年 | 100% | 86.1% | 83.6% | 4 |
(参考)絶対リターン: 1年勝率 88% / 平均+45.1%、 2年勝率 100% / 平均+121.1%
| 期間 | 勝率 | リターン中央値 | リターン平均値 | 対象件数 |
|---|---|---|---|---|
| 1年 | 83% | 56.3% | 43.8% | 6 |
| 2年 | 50% | -87.1% | 16.6% | 2 |
※ 報告書記載の推定取得単価を基準にした成績です。取得単価の精度に限界があるため参考値として掲載しています。開示翌日基準(上記メインテーブル)の数値を優先してください。
| 初回報告日 | 銘柄 | リターン(1年) | リターン(2年) |
|---|---|---|---|
| 2024-08-26 | 日鉄ソリューションズ(2327) | -25.4% | N/A |
| 2024-06-24 | 東邦ホールディングス(8129) | +18.3% | N/A |
| 2024-06-11 | ワコールホールディングス(3591) | +9.8% | N/A |
| 2024-05-14 | 西武ホールディングス(9024) | +38.0% | N/A |
| 2023-10-19 | サッポロホールディングス(2501) | +26.4% | +9.4% |
| 2023-03-20 | 東北新社(2329) | +68.5% | +119.4% |
| 2023-03-20 | 東北新社(2329) | +68.5% | +119.4% |
| 2021-12-13 | 富士ソフト(9749) | +34.1% | +86.1% |
※ リターンはTOPIX超過リターン(報告翌営業日始値基準)。新規報告のみ。
【編集部注】 3DIPは過去87.5%の勝率と高い超過リターンを実現。現在、撤退兆候は見られるでしょうか。
平均保有期間: N/A
→ 自動判定では「注視」レベル。現在株価1,453.5円は推定取得単価1,198.15円を21.3%上回っており、含み益は確保されている。ただし、理論株価試算値中央値1,612円にはまだ到達しておらず、アクティビストの目的達成には至っていない。現時点での撤退兆候は確認できないが、今後、経営陣との対話が膠着した場合や、理論株価試算値に到達した場合は利益確定売りの動機が高まる構成。
本チェックリストは撤退兆候の有無を整理したものであり、売買タイミングの助言を構成するものではありません。
出典: 大量保有報告書 (S100XWKV)、EDINET有価証券報告書 (S100W670)
【編集部注】 含み益は確保され理論株価試算値には未達。撤退兆候は未確認。マクロ文脈でどう評価すべきか。
※ 本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。詳細は末尾の免責事項をご確認ください。
リスク要因: FCFデータなし / 無配 / 総還元性向 133%(持続不能水準) → 電気機器業界はIoTやAI技術の活用、再生可能エネルギーへの移行、M&Aによる事業再編が進む変革期にあり、オムロンの電子部品事業売却や大手半導体企業の統合協議に象徴されるように、資本効率改善への圧力が高まっています。カシオ計算機は直近で好調な第3四半期決算を発表し、自社株買いも実施しましたが、PBR(実質)が業種中央値を上回る一方で [cite: S1] ネットキャッシュが時価総額の39%を占め、ROICスプレッドが-0.50%である資産構成は [cite: S1]、業界全体の効率化トレンドの中で改善圧力の対象となりやすいです。3Dインベストメントがカシオ計算機株の5.03%保有を公表したことは、同ファンドが東邦ホールディングスへの追加情報要請で示すような 積極的な関与姿勢と整合し、過去87.5%の超過リターン実績 [cite: S6] を踏まえると、カシオの潤沢な資産を活用した更なる企業価値向上を促す動機は極めて高いと評価されます。総合スコア8.1は、このような業界再編とアクティビストの行動が重なるマクロ文脈において、カシオが変革を求められる典型的な構成にあることを示唆しています。
※本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。将来のリターンを保証・予測するものではなく、スコアの高低は売買の推奨を意味しません。
| 分析軸 | スコア | ウェイト | データ品質? |
|---|---|---|---|
| 割安か+下値は堅いか(財務)? | 3.8 / 5 | ×30% | HIGH |
| どう動くか+撤退の兆候は(行動)? | 4.0 / 5 | ×35% | HIGH |
| 提案は通るか(株主構成)? | 4.0 / 5 | ×25% | HIGH |
| 過去の打率は(実績)? | 5.0 / 5 | ×10% | HIGH |
| 総合スコア? | 8.1 | / 10.0 |
各軸スコアはS1〜S7の分析データを入力としたAIによるモデル計算値であり、ルールベースの算出ではありません。 同一データに対して実行ごとに微小な差異が生じる場合があります。