藤倉コンポジット (5121) ゴム製品

産業用資材、引布加工品、スポーツ用品(ゴルフ用カーボンシャフト、アウトドア用品)の製造販売を行う企業。自動車、航空宇宙、スポーツ関連企業などを主要顧客とする。
ひびき・パース・アドバイザーズ積極介入型
保有比率: 8.63% ↑+1.22% 増加変更(増加)
報告書提出日: 2026-04-15
データ取得日: 2026-04-14
ひびき・パース・アドバイザーズは提言書送付と自己株買い誘発後も保有比率を8.63%に積み増した──だが事業構成の抜本的改革には経営陣の強い抵抗が予想される。
コバンザメスコア?
(0.0–10.0)
4.0–7.0
全38件中 ─ 中央値: 5.5 / 上位25%: 6.8
0 中央値 上位25% 10
目次 (クリックで開閉 ── ▶ マークは全て同様に操作できます)
  1. 割安か──バリュエーション指標
  2. どう動くか──介入シナリオと行動確率
  3. 提案は通るか──株主構成と議決権の壁
  4. 下値は堅いか──配当・増配・自社株買い余力
  5. 出口はどこか──シナリオ別試算値
  6. 過去の打率は──実績と勝率
  7. 撤退の兆候は──エグジットシグナルと検知条件
  8. まとめ──スコアの構成と根拠

1. 割安か──バリュエーション指標

今の株価は割高か割安か。PBR・PER・NC比率などの指標から、複数のアプローチで株価水準を検証します。
データ期間の見方 前実 直近の確定決算(有価証券報告書・決算短信)の数値 今予 会社が発表した今期の業績予想に基づく数値 ※ 株価・時価総額は前営業日終値
PBR(実質)前実?
業種中央値0.71倍
EV/EBITDA前実?
業種中央値15.06倍
ROICスプレッド前実?
ROIC 6.5% − WACC 5.9%
業種内ポジション
アクティビストは同業他社との比較で経営改善余地を主張する。中央値からの乖離が株主提案の根拠となる。
PBR
1.37倍(96%ile)
EV/EBITDA
12.31倍(96%ile)
ROE
10.8%(91%ile)
← 低い   業種中央値   高い →
ROIC vs WACC
ROICがWACCを上回れば価値創造、下回れば価値破壊。アクティビストはスプレッドがマイナスの企業に対し、事業再編や資本配分の見直しを要求する根拠とする。
スプレッド
0.6%(価値創造)
← 価値破壊ROIC 6.5% | WACC 5.9%価値創造 →

→ PBR(株価純資産倍率)(実質) 1.37倍は業種中央値0.71倍を93%上回るが、ネットキャッシュ比率(NC比率)33.3%を考慮したPER(株価収益率)(清原式)は9.08倍と業種並みの水準。ROE(自己資本利益率)10.78%という業種内上位の収益力がPBRプレミアムを正当化しており、アクティビストの狙いは割安性の是正よりも、高収益事業への資源集中と還元強化による更なる価値向上にある。

根拠データ
判定基準
PBR(実質):
含み益(不動産・政策保有株等)を加味した純資産に対する株価倍率。業種中央値との乖離で割安/割高を判断する基礎指標。1.0倍未満: 割安圏、1.0-1.5倍: 中立圏、1.5倍以上: 割高圏。

EV/EBITDA:
企業価値(時価総額+有利子負債−現金)÷ EBITDA。キャッシュフローベースの企業価値評価。業種中央値比0.8未満: 割安圏、0.8-1.2: 中立圏、1.2超: 割高圏。EBITDAが取得できない場合はPER(清原式)で代替。

ROICスプレッド:
ROIC − WACC。プラスなら資本コスト以上の利益を創出(価値創造)、マイナスなら価値破壊。10%超: 強い価値創造、0-10%: 中立水準、マイナス: 価値破壊。

NC比率(清原式):
ネットキャッシュ(流動資産+投資有価証券×70%−負債合計)÷時価総額。高いほどアクティビストが還元強化を要求する根拠が強くなる。
割安度の検証
2,578円
発行済株式数: 20,074,968株
PBR 前実?
市場ベース?
1.37倍
資産調整後?
1.37倍
市場
実質
PER 今予?
市場ベース?
13.00倍
清原式?
9.1倍
市場
清原
純資産 前実?
簿価
361億円
修正純資産?
361億円
簿価
修正
時価総額?
市場
518億円
理論時価総額?
600億円
市場
理論
配当利回り 今予?
現在
2.95%
潜在利回り?
3.85%
現在
潜在
NC比率(清原式) 前実?
NC比率
33.3%
目安 約10%
NC額?
172億円
= 流動資産 289億円 + 投資有価証券×70% N/A − 負債合計 117億円
NC/時価総額
33%
📝 指標の説明
  • PBR(株価純資産倍率): 前期末の簿価純資産に対する株価の倍率。会社を今すぐ解散した場合の資産価値に対して、株価が何倍かを示す。1.0倍なら帳簿上の資産と株価が同じ。1倍割れは東証の「資本コストや株価を意識した経営」要請の対象。アクティビストが「株主資本を有効活用できていない」と指摘する最も基本的な根拠になる。
  • PBR(実質): 前期末の修正純資産(含み益加味)に対する株価の倍率。帳簿に載っていない「隠れた資産価値」を反映する。簿価PBRが1倍超でも、不動産や株式の含み益を加えると実質的に割安になるケースがある。アクティビストは実質PBRを重視し、含み資産の売却・活用を要求する根拠にする。
  • PER(株価収益率): 今期の会社予想EPSに基づく株価収益率。今の利益水準で投資額を回収するのに何年かかるかの目安。低いほど利益に対して株価が割安。業種中央値より高ければ市場の期待が大きい。低ければ過小評価されている可能性があり、アクティビストが「株価を引き上げる施策」を要求する根拠になりうる。
  • PER(清原式): (時価総額 − ネットキャッシュ) ÷ 今期予想純利益。余剰現金を差し引き、事業の利益力だけに対するPERを算出する。通常PERより低くなるほど「現金の厚み」が株価に織り込まれていない。清原式PERが業種中央値を大幅に下回る企業は、現金を抱え込んだまま事業効率を高めていない可能性が高く、アクティビストの還元要求の典型的な対象。
  • 純資産: 会社の資産から負債を差し引いた正味の財産額。「簿価」は帳簿上の金額、「修正純資産」は不動産含み益などを加算した実態ベースの金額。
  • 修正純資産: 簿価の純資産に、保有不動産の含み益・有価証券の含み益を加算した「実態ベース」の純資産額。この金額が大きいほど企業の「隠れた資産」が多い。遊休資産の売却、政策保有株の解消、不動産のリート化など、アクティビストが資産活用を要求する原資の規模を示す。
  • EV/EBITDA: 企業価値(時価総額+前期末有利子負債−現金)÷ 前期実績EBITDA。減価償却の影響を除いたキャッシュフローベースの企業価値倍率。M&A(企業買収)で最も使われる値付けの尺度。業種中央値より低ければ買収対象として割安であり、TOB(公開買付け)の可能性を測る目安にもなる。
  • 時価総額: 株価×発行済株式数。「市場」は現在の株式市場での評価額。「理論時価総額」は事業利益を業種平均PERで再評価し、余剰現金を加算した理論上の企業価値。
  • 理論時価総額: 清原式事業価値モデルによる試算値。算式: 理論時価総額 = 適正事業価値 + ネットキャッシュ。適正事業価値 = (市場評価の事業価値 ÷ PER清原式) × 業種PER中央値。理論時価総額が現在の時価総額を上回る場合、市場が企業価値を過小評価している可能性を示す。アクティビストはこの乖離を根拠に、株主還元や資本政策の見直しを要求する。
  • 配当利回り: 今期予想の1株あたり配当金÷株価。投資額に対して年間いくら配当を受け取れるかの指標。業種中央値より低ければ増配余力がある可能性を示す。アクティビストが増配要求する際の出発点になる。
  • 潜在利回り: 今期予想の利益を前提に、配当性向を引き上げた場合に実現しうる理論上の配当利回り。算式: 潜在利回り = EPS × MAX(業種配当性向中央値, 50%) ÷ 株価。潜在利回りが現在利回りを大きく上回る場合、増配余力が大きいことを意味し、アクティビストの増配要求が企業価値向上に寄与するシナリオの蓋然性が高い。
  • NC比率(清原式): 前期末ネットキャッシュ(流動資産+投資有価証券×70%−負債合計)÷時価総額。時価総額に対して余剰現金をどれだけ抱えているかの比率。この比率が高い企業は「現金を溜め込んでいる」とみなされる。自社株買い・増配・特別配当の要求根拠になり、比率が高いほどアクティビストの介入動機が強い。
  • NC額: ネットキャッシュ額。計算式: 流動資産 + 投資有価証券×70% − 負債合計。事業に使っていない余剰現金の総額。NC額が大きいほど自社株買い・増配・特別配当の原資が豊富。アクティビストが還元強化を要求する際の具体的な金額規模を示す。
セクター相対評価

業種: ゴム製品(33業種分類)

PBR 前実
当社
1.37倍
業種中央値
0.71倍
対業種 1.94倍
ROE 前実
当社
10.8%
業種中央値
6.0%
対業種 1.78倍
PER 今予
当社
13.00倍
業種中央値
11.26倍
対業種 1.15倍
配当性向(実績) 前実
当社
38.6%
業種中央値
30.9%
対業種 1.25倍
📝 指標の説明
  • 対業種比: 当社値÷業種中央値。1.0=業種平均水準
  • 業種内順位(%ile): 業種内でのパーセンタイル順位。PBR・PER: 低%ile=割安 / ROE: 高%ile=高効率
  • ROE(自己資本利益率): 前期確定の純利益÷自己資本。株主の出資に対してどれだけ効率的に利益を稼いでいるか。8%未満なら東証の「資本コストを意識した経営」要請の対象。アクティビストが改善を要求する根拠になる。
  • 配当性向(実績): 前期確定の純利益のうち配当に回した比率(実績値)。会社予想ベースの配当性向はS4に記載。低すぎれば増配要求の余地が大きい。高すぎれば持続性に問題があり、利益成長が求められる。
株主資本は有効に使われているか
計算パラメータ(Beta / WACC / ROIC)
指標
Beta(1年)? 0.86
株主資本コスト前実? 6.2%
WACC前実? 5.9%
ROIC前実? 6.5%
結論: 価値を創っているか
ROICスプレッド 前実? 0.6% 価値創造
▼0%
EVA 前実? 2億円
ROE 10.8%
原因: なぜROEが低いのか
売上高純利益率 前実? 9.4%
総資産回転率 前実? 0.87回
財務レバレッジ 前実? 1.32倍
ROE 10.8% の内訳
利益率
9.4%
回転率
0.87回
レバレッジ
1.32倍
余力: まだ使える手段はあるか
D/Eレシオ 前実? 0.10倍
▼1.0倍
📝 指標の説明
  • ROICスプレッド: ROIC(投下資本利益率)からWACC(加重平均資本コスト)を差し引いた値。プラスなら株主が期待する最低リターンを超える利益を生んでおり「価値創造」、マイナスなら資本コスト以下の利益しか出せておらず「価値破壊」の状態。アクティビストが最も重視する経営効率の指標。スプレッドがマイナスの企業は「株主の資本を有効に使えていない」と批判される。事業ポートフォリオの再編(低ROIC事業の売却)、遊休資産の処分、余剰現金の株主還元など、資本配分の見直しを要求する最も強力な根拠になる。
  • EVA(経済的付加価値): Economic Value Added。税引後営業利益(NOPAT)から投下資本×WACCを差し引いた金額。ROICスプレッドを金額で表したもの。プラスなら真の経済的利益を生んでおり、マイナスなら会計上は黒字でも株主資本を食い潰している。EVAがマイナスの企業は「帳簿上は利益が出ているが、株主の機会費用を考慮すると実質赤字」。アクティビストは「EVAがゼロ以上になるまでROICを改善せよ」と具体的な数値目標を掲げて経営改善を要求する。金額で示されるため、毀損規模が直感的に伝わる。
  • ROE(自己資本利益率): 純利益÷自己資本。株主の出資に対してどれだけ効率的に利益を稼いでいるかを示す。ROEは以下の3要素に分解できる(デュポン分析)。8%未満なら東証の「資本コストや株価を意識した経営」要請の対象。アクティビストが改善を要求する際の出発点となる指標であり、どの要素が足を引っ張っているかをデュポン分析で特定する。
  • 売上高純利益率: 純利益÷売上高。売上からどれだけ最終利益を残せているかを示す「収益性」の指標。ROEを構成するデュポン3要素の1つ。利益率が低い場合、アクティビストは不採算事業の撤退・売却、コスト構造の改善、価格転嫁��の強化を要求する。特に多角化企業では「低利益率のセグメントを切り離せ」という事業ポートフォリオ再編の根拠になる。
  • 総資産回転率: 売上高÷総資産。保有する資産をどれだけ効率的に売上に変換できているかを示す「効率性」の指標。ROEを構成するデュポン3要素の1つ。回転率が低い場合、遊休資産・過剰在庫・不要な政策保有株を抱えている可能性が高い。アクティビストは「使っていない資産を売却して株主に返せ」と要求する。不動産や政策保有株の売却要求の定量的根拠になる。
  • 財務レバレッジ: 総資産÷純資産。借入によって資産をどれだけ膨らませているかの度合い。ROEを構成するデュポン3要素の1��。高いほどROEは上がるがリスクも増す。レバレッジが低すぎる(=純資産が��沢すぎる)場合、アクティビストは「余剰資本を株主に返還すべき」と主張する。自社株買いや特別配当によって自己資本を圧縮し、ROEを引き上げる戦略の根拠になる。
  • D/Eレシオ: 有利子負債÷株主資本。借入への依存度を示す。1.0倍未満なら借入より自己資本が多い安全圏。低いほど追加の借入余力が大きく、自社株買い・増配・設備投資の原資を調達しやすい。D/Eレシオが極端に低い企業は「財務が保守的すぎる」として、最適資本構成への転換を求められる。適度な借入でレバレッジを高め、余剰資本を株主還元に回すことでROE改善とPBR是正を同時に実現する――これがアクティビストの典型的な資本政策提案。
  • Beta(1年): 過去1年間の日次リターンをもとに算出した、市場全体(TOPIX)に対する株価の変動感応度。1.0なら市場並みの変動、1.0超なら市場より大きく動く、1.0未満なら市場より安定的。株主資本コスト算出のパラメータ。Betaが高い銘柄は資本コストも高くなるため、ROICスプレッドがマイナスに振れやすい。アクティビストにとっては「資本コストが高いのにそれを超えるリターンを出せていない」という批判の材料��なりうる。
  • 株主資本コスト: 株主が期待する最低限のリターン。算式: リスクフリーレート(1.0%) + Beta × 市場リスクプレミアム(6.0%)。ROEがこの率を下回っていれば、株主の期待に応えられていない。東証の「資本コスト経営」要請の中核概念。アクティビストは「御社の株主資本コストはX%だが、ROEはY%しかない。コストを下回るリターンは株主価値の毀損だ」と数値を突きつけて改善を要求する。
  • WACC(加重平均資本コスト): 株主資本コストと負債コストを資本構成比率で加重平均した、企業全体の資本コスト。ROICがWACCを上回っていれば価値を創造している。企業価値評価(DCF法)の割引率として使われ、M&AやMBOの価格算定にも影響する。アクティビストはWACCを基準に「事業の取捨選択」を提案し、WACC未満のリターンしか出せない事業の売却を要求する。
  • ROIC(投下資本利益率): 税引後営業利益(NOPAT)÷投下資本(株主資本+有利子負債)。事業に投じた全資本に対するリターン。ROEが株主視点の指標であるのに対し、ROICは債権者を含む全資本提供者の視点。ROICは財務レバレッジの影響を受けないため、事業の「素の実力」を測る指標としてアクティビストが重用する。「ROICツリー」で分解し、改善余地がある事業オペレーションを特定する手法が定着している。

出典: EDINET有価証券報告書 (S100W5AE)大量保有報告書 (S100XYDW)

【編集部注】 割安とは言い切れない水準にある。それでもアクティビストが動く理由があるのか。行動パターンを読む。


2. どう動くか──介入シナリオと行動確率

大量保有報告書は出した──次の問いは、純投資のままか、経営に変化を求めるか。報告書の文言・過去の行動パターンから、介入の方向性と確率を読みます。
行動確率?
過去6件中5件

→ 行動確率83%(6件中5件)であり、このアクティビストが本気で介入している蓋然性は極めて高い。既に「企業価値向上施策ご提言書」を送付して20億円の自己株買いを引き出しているが、直近2週間で保有比率を1.22pp積み増した動きは、現状の還元策を「不十分な初動」と見なし、さらなる事業構造改革や追加還元を迫る準備段階にあることを示唆している。

主要戦略: 株主還元方針変更 / 副次的な戦略: 中期経営計画見直し

推定取得単価1,053円に対し現在株価2,578円(乖離+144.8%)。含み益圏内。

共同保有者・貸株・担保契約:いずれも本報告書に記載なし

📝 指標の説明
  • 行動確率: このアクティビストの過去の全保有案件のうち、実際に株主提案・増配要求等の行動に移った割合。75%以上なら過去の実績上ほぼ確実に動く。50%未満なら純投資で終わる可能性も。
  • 推定取得単価: 大量保有報告書の記載(取得価格×株数)から加重平均で算出した1株あたり推定コスト。現在株価がこれを下回ると含み損。撤退圧力が発動する水準であると同時に、追加買い増しの動機にもなる。
  • 共同保有者: 同一目的で株式を共同保有する者。報告書の「共同保有者」欄に記載。共同保有者がいれば実質的な議決権はその合算。表面上の保有比率より影響力が大きい場合がある。
  • 貸株・担保契約: 保有株式の貸株や担保提供の有無。貸株に出していれば議決権行使時に回収が必要。担保差入れがあれば追加投資の制約になりうる。
根拠データ
判定基準
行動確率:
このアクティビストの過去の全保有案件のうち、実際にエスカレーション(株主提案・対話要求等)に移った比率。75%なら4件中3件で行動に転じた実績。保有目的文言はテンプレート化されていることが多いため、文言一致ではなく全案件ベースで算出。灰色固定表示。

ISS/Glass Lewis基準該当: 一般公開基準への形式的該当を示す。実際の個別推奨は非公開(有料レポート)のため「反対推奨された」と断定するものではない。
トラックレコード(保有目的 vs 実行動)
過去の行動実績(典型的な保有目的: 純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこ…)
分析対象案件: 6件
実際の行動に移った確率: 83% (過去6件中5件)

行動に移った事例:
過去事例1: 芦森工業(2025年)
経営陣へのエンゲージメントにより、最終的に1株4,140円でのTOB(株式公開買付)による非公開化を実現。
過去事例2: ダイキョーニシカワ(2026年)
初回報告時から重要提案行為を明記し、5%超の取得と同時に経営陣へ圧力を展開。
過去事例3: 石原産業(2024年)
5.06%取得時に重要提案行為を宣言し、資本効率改善と政策保有株売却を要求。
過去事例4: 旭ダイヤモンド工業(2023年)
約20億円を投じ、過剰資本の是正と大幅増配を要求。
過去事例5: 藤倉コンポジット(2025年)
提言書送付により20億円の自己株買いを誘発。その後も買い増しを継続。
行動なし(保有目的のまま)
1件

出典: 大量保有報告書 (S100XYDW)

【編集部注】 行動確率は高い。だが固い株主に阻まれれば提案は通らない。株主構成は味方か敵か。


3. 提案は通るか──株主構成と議決権の壁

株主提案は通るか。固定株主の壁と浮動株の構成から、アクティビストの議決権戦略が成立する条件を検証します。
実質安定株主比率前実?
壁の合計(鈴木式)
アクティビスト保有?
最新報告書
8.6%
33.5%
57.9%
アクティビスト 8.6%
実質安定株主 33.5%
浮動株等 57.9%

→ アクティビストが8.63%を保有。実質安定株主33.5%の壁に対して、議決権行使のみでの突破は一定の抵抗が予想される構成です。

根拠データ
判定基準
実質安定株主比率:
鈴木式固定株分析。A(その他法人) + B(政府) + C(自己株式) + D(個人大株主) + E(政策保有金融×0.7) + F(外国戦略株主) + G(オーナー系ファンド) + H(持株会×0.5) − I(国内VC控除)。70%以上: 壁が厚い、30-70%: 中間水準、30%未満: 提案受入の障壁が低い。

アクティビスト保有比率:
最新の大量保有報告書に基づく保有比率。参考情報として灰色表示。

オーナー持株比率:
CEO・関連資産管理会社の合計保有比率。20%超: 拒否権に近い水準、5-20%: 中間水準、5%未満: 低水準。

外国法人等保有比率:
海外機関投資家・ファンド等の保有比率。外国法人等の比率が高い企業は株主還元・ガバナンス改善への圧力が強い傾向があり、アクティビストの提案が賛同を得やすい環境を示す。
安定株主比率の内訳(鈴木式)
指標
実質安定株主比率(鈴木式) 33.5%
├ A. その他法人 11.6%
├ B. 政府・公共団体 0.0%
├ C. 自己株式 17.1%
├ D. 個人大株主 0.0%
├ E. 政策保有金融(×0.7) 1.5% (2.1% × 0.7) (三井住友信託銀行株式会社)
├ F. 外国戦略株主 2.1% (DFAINTLSMALLCAPVALUEPORTFOLIO)
├ G. オーナー系ファンド 0.0%
├ H. 持株会・共栄会(×0.5) 1.2% (2.4% × 0.5) (藤倉コンポジット従業員持株会)
└ I. 国内VC控除 −0.0%

※ A・B・Cは発行済株式ベース、D・E・G・Hは大株主データ(自己株式除外ベース)のため、内訳の単純合計と比率は一致しない場合があります。

実質安定株主比率(鈴木式)
33.5%
A. その他法人
11.6%
B. 政府・公共団体
0.0%
C. 自己株式
17.1%
D. 個人大株主
0.0%
E. 政策保有金融(×0.7)
1.5% (2.1% × 0.7) (三井住友信託銀行株式会社)
F. 外国戦略株主
2.1% (DFAINTLSMALLCAPVALUEPORTFOLIO)
G. オーナー系ファンド
0.0%
H. 持株会・共栄会(×0.5)
1.2% (2.4% × 0.5) (藤倉コンポジット従業員持株会)
I. 国内VC控除
−0.0%
所有者別構成(法定開示区分)
金融機関20.0%
証券会社2.4%
その他法人11.6%
外国法人等14.8%
個人その他51.2%
自己株式17.1%
大株主一覧(上位10名)
#株主名所有者区分持株比率保有株数(株)
1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 金融機関 12.0% 2,343,600
2 株式会社日本カストディ銀行(信託口) 金融機関 7.3% 1,420,200
3 株式会社フジクラ その他法人 5.1% 1,000,000
4 藤倉化成株式会社 その他法人 2.9% 569,840
5 藤倉航装株式会社 その他法人 2.6% 515,210
6 藤倉コンポジット従業員持株会 個人その他 2.5% 494,424
7 三井住友信託銀行株式会社 金融機関 2.1% 418,000
8 DFAINTLSMALLCAPVALUEPORTFOLIO(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) 外国法人等 1.9% 372,700
9 HIBIKIPATHAOBAFUND(常任代理人みずほ銀行決済営業部) 外国法人等 1.8% 360,300
10 REFUND107-CLIENTAC(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) 外国法人等 1.5% 300,000
1
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 金融機関
12.0% 2,343,600株
2
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 金融機関
7.3% 1,420,200株
3
株式会社フジクラ その他法人
5.1% 1,000,000株
4
藤倉化成株式会社 その他法人
2.9% 569,840株
5
藤倉航装株式会社 その他法人
2.6% 515,210株
6
藤倉コンポジット従業員持株会 個人その他
2.5% 494,424株
7
三井住友信託銀行株式会社 金融機関
2.1% 418,000株
8
DFAINTLSMALLCAPVALUEPORTFOLIO(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) 外国法人等
1.9% 372,700株
9
HIBIKIPATHAOBAFUND(常任代理人みずほ銀行決済営業部) 外国法人等
1.8% 360,300株
10
REFUND107-CLIENTAC(常任代理人シティバンク、エヌ・エイ東京支店) 外国法人等
1.5% 300,000株
支配構造リスク
リスク項目判定詳細
オーナー管理
判定結果CEOまたは資産管理会社が大株主5%以上に該当せず
非該当 -
親子上場
判定結果該当する上場大株主なし
筆頭株主日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(12.0%)
非該当 -
筆頭株主が上場企業 -
上場大株主あり(20%超) -
政策保有・相互保有
#銘柄名コード株数時価持ち合い
1 藤倉化成(株) 4620 606,500株 762百万円
2 愛三工業(株) 7283 55,000株 105百万円
3 (株)三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 28,060株 80百万円
4 (株)三井住友フィナンシャルグループ 8316 12,600株 70百万円
5 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(株) 8725 12,900株 52百万円
6 (株)武蔵野銀行 8336 18,476株 45百万円
7 (株)りそなホールディングス 8308 12,300株 23百万円
8 (株)めぶきフィナンシャルグループ 7167 14,157株 19百万円
9 (株)ニッキ 6042 3,412株 17百万円
10 日本電信電話(株) 9432 102,000株 16百万円
11 三井住友トラスト・ホールディングス(株) 8309 2,580株 14百万円
12 三井住友トラストグループ(株) 8309 2,580株 14百万円
13 オカモト(株) 5122 800株 5百万円
14 デンヨー(株) 6517 1,000株 3百万円
15 凸版印刷(株) 7911 500株 2百万円
16 (株)朝日ラバー 5162 2,000株 2百万円
17 大日本印刷(株) 7912 N/A N/A
18 JSR(株) 4185 N/A N/A
19 TOPPANホールディングス(株) 7911 N/A N/A
20 サカタインクス(株) 4633 N/A N/A
1
藤倉化成(株) 4620 相互保有
606,500 時価 762 百万円
2
愛三工業(株) 7283
55,000 時価 105 百万円
3
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306
28,060 時価 80 百万円
4
(株)三井住友フィナンシャルグループ 8316
12,600 時価 70 百万円
5
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(株) 8725
12,900 時価 52 百万円
6
(株)武蔵野銀行 8336
18,476 時価 45 百万円
7
(株)りそなホールディングス 8308
12,300 時価 23 百万円
8
(株)めぶきフィナンシャルグループ 7167
14,157 時価 19 百万円
9
(株)ニッキ 6042
3,412 時価 17 百万円
10
日本電信電話(株) 9432
102,000 時価 16 百万円
11
三井住友トラスト・ホールディングス(株) 8309
2,580 時価 14 百万円
12
三井住友トラストグループ(株) 8309
2,580 時価 14 百万円
13
オカモト(株) 5122
800 時価 5 百万円
14
デンヨー(株) 6517
1,000 時価 3 百万円
15
凸版印刷(株) 7911
500 時価 2 百万円
16
(株)朝日ラバー 5162
2,000 時価 2 百万円
17
大日本印刷(株) 7912
N/A 時価 N/A 百万円
18
JSR(株) 4185
N/A 時価 N/A 百万円
19
TOPPANホールディングス(株) 7911
N/A 時価 N/A 百万円
20
サカタインクス(株) 4633
N/A 時価 N/A 百万円
合計 20銘柄 対時価総額比率 2.8%
LOW 対時価総額比率2.8%
オーナー管理
非該当
親子上場
非該当
筆頭株主が上場企業
上場大株主あり(20%超)
政策保有・相互保有
LOW
対時価総額比率 2.8%
銘柄一覧(20銘柄)
1
藤倉化成(株) 4620 相互保有
606,500 時価 762 百万円
2
愛三工業(株) 7283
55,000 時価 105 百万円
3
(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306
28,060 時価 80 百万円
4
(株)三井住友フィナンシャルグループ 8316
12,600 時価 70 百万円
5
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(株) 8725
12,900 時価 52 百万円
6
(株)武蔵野銀行 8336
18,476 時価 45 百万円
7
(株)りそなホールディングス 8308
12,300 時価 23 百万円
8
(株)めぶきフィナンシャルグループ 7167
14,157 時価 19 百万円
9
(株)ニッキ 6042
3,412 時価 17 百万円
10
日本電信電話(株) 9432
102,000 時価 16 百万円
11
三井住友トラスト・ホールディングス(株) 8309
2,580 時価 14 百万円
12
三井住友トラストグループ(株) 8309
2,580 時価 14 百万円
13
オカモト(株) 5122
800 時価 5 百万円
14
デンヨー(株) 6517
1,000 時価 3 百万円
15
凸版印刷(株) 7911
500 時価 2 百万円
16
(株)朝日ラバー 5162
2,000 時価 2 百万円
17
大日本印刷(株) 7912
N/A 時価 N/A 百万円
18
JSR(株) 4185
N/A 時価 N/A 百万円
19
TOPPANホールディングス(株) 7911
N/A 時価 N/A 百万円
20
サカタインクス(株) 4633
N/A 時価 N/A 百万円
合計 20銘柄 対時価総額比率 2.8%
📝 指標の説明
  • 実質安定株主比率: 鈴木式9変数モデル。A+B+C+D+E×0.7+F+G+H×0.5−I。30%未満=攻略しやすい、30-70%=拮抗、70%以上=壁が厚い。直近の有価証券報告書に記載された大株主データに基づく。期中の売買は反映されない。この比率が低いほどアクティビストの委任状争奪で賛同票を集めやすい。
  • A. その他法人: 事業法人・持株会社等(所有者別状況)。取引先持ち合い等の固定株の中核
  • B. 政府・公共団体: 国・地方自治体・公的機関の保有分。政策的に売却されにくい完全固定株
  • C. 自己株式: 会社自身が保有する株式。議決権がなく、消却すれば1株あたり価値が上昇する。自己株式の消却要求はアクティビストの定番施策。
  • D. 個人大株主: 創業家・役員本人または同姓の個人。経営権に直結し最も固定度が高い
  • E. 政策保有金融(×0.7): 銀行・生損保等。東証の政策保有解消要請を受け3割は流動化リスクありとみなし係数0.7で割引
  • F. 外国戦略株主: 海外の事業パートナー等による戦略的保有。純投資ではなく売却されにくい
  • G. オーナー系ファンド: 創業家の資産管理会社等。オーナーの意向で固定される株式
  • H. 持株会・共栄会(×0.5): 従業員・取引先持株会。半分は退職・脱退で流動化するため0.5倍で算入。持株会が厚いと安定株が多いが、係数0.5なので壁としては薄い。
  • I. 国内VC控除: ベンチャーキャピタル・投資組合等。Exit狙いの純投資家であり固定株から完全除外
  • 所有者区分: 有価証券報告書の法定開示区分。金融機関(信託銀行含む)・証券会社・その他法人・外国法人等・個人その他・自己株式に分類。外国法人等の比率が高い企業はガバナンス改善圧力が強く、アクティビストの提案に賛同票が集まりやすい。
  • オーナー管理: CEOまたはその資産管理会社が大株主に名を連ね保有比率5%以上の場合に該当。経営陣の支配力が強くアクティビストの提案が通りにくい。ただし対話型アプローチで改善を引き出すケースもある。
  • 親子上場: 上場企業が過半数保有でCRITICAL、20%超大株主でHIGH。固定株が多く提案が通りにくい。上場企業による支配はガバナンス上の論点であり、アクティビストの分離・独立要求の対象になりうる。
  • 筆頭株主が上場企業: 最大株主が上場企業であるか。親子上場に準ずる構造的課題を示す。議決権支配によりアクティビストの提案が否決されるリスクがある。
  • 上場大株主あり(20%超): 20%超を保有する上場企業の大株主がいるか。親子上場に準じるリスク。安定株主の壁として機能しアクティビストに不利。
  • 政策保有リスク: HIGH=対時価総額比率5%超 / MODERATE=1-5% / MINIMAL=1%未満。売却すれば株主還元の原資になりうる。東証の政策保有解消要請が追い風。
  • 持ち合い: 当社の株式を相手方も保有している相互保有関係。有報の「当該株式の発行者による当社株式の保有の有無」に基づく

※ 安定株主比率の各項目は有価証券報告書(EDINET開示)のXBRLデータに基づいています。解析精度により一部データが正確に取得できていない場合があります。

保有比率の推移

2023-05-24〜2026-04-15 で 5.25% → 8.63% (全7回報告・平均 0.56%/回) 買い増し

報告日株価保有比率増減保有目的報告書
2023-05-24 880円 5.25% ±0
← 初回 投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと S100QSXZ
2023-08-18 1,045円 6.27% +1.02%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと S100RPRW
2023-08-21 1,081円 6.04% -0.23%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと S100RQCF
2023-08-23 1,100円 7.24% +1.20%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと S100RQNE
2023-12-20 1,347円 5.99% -1.25%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと S100SGMV
2024-01-11 1,446円 4.97% -1.02%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと S100SKQO
2026-04-15 2,578円 8.63% +1.22%
← 最新
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこ…
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。
S100XYDW
2023-05-24 初回 880円
報告書
5.25%
±0
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
2023-08-18 1,045円
報告書
6.27%
+1.02%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
2023-08-21 1,081円
報告書
6.04%
-0.23%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
2023-08-23 1,100円
報告書
7.24%
+1.20%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
2023-12-20 1,347円
報告書
5.99%
-1.25%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
2024-01-11 1,446円
報告書
4.97%
-1.02%
投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと
2026-04-15 最新 2,578円
報告書
8.63%
+1.22%
純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと。

→ 保有比率は5.2%から8.6%へ段階的に増加。継続的な買い増しが確認されます。

【過去の類似パターンとの照合】
現在のパターン: 2026年4月1日の7.41%から4月15日の8.63%へ、わずか2週間で+1.22ppの買い増しを実行。取得ペースが加速している。

類似事例:
ダイキョーニシカワ(2026年)
パターン: 初期報告から短期間で5%超を取得し、重要提案行為を宣言。
その後の行動: 経営陣との対話および資本政策への介入示唆。
結果: 現在進行中だが、市場にアクティビスト・プレミアムを創出。
石原産業(2024年)
パターン: 5%超の取得と同時に強硬な保有目的を明記。
その後の行動: ROE(自己資本利益率)向上を目的とした株主提案の検討。
結果: 経営陣による資本効率改善への意識向上を誘発。

パターン分析:
過去の類似パターンでは、買い増し加速後にさらなる公開質問状の送付や、定時株主総会に向けた具体的な株主提案(増配・自社株買いの追加要求)に踏み切る蓋然性が高い。会社側の20億円の還元策を「通過点」と見なしている可能性が高い。

過去の行動パターン詳細と、理論株価から見た株価の位置づけは以下のセクションで分析します。
ガバナンス
指標
社外取締役比率前実 42% (5名 / 12名)
社外役員比率(取締役+監査役) 42%
買収防衛策 TDnet開示なし
社外取締役比率前実
42% (5名 / 12名)
▼1/3
社外役員比率(取締役+監査役)
42%
買収防衛策
TDnet開示なし
取締役・監査役一覧
氏名役職区分保有株数持株比率
森田健司 代表取締役社長執行役員 取締役 95,400株 0.4%
髙橋秀剛 取締役執行役員 特命担当 取締役 33,815株 0.1%
植松克夫 取締役 常勤監査等委員 取締役 32,400株 0.1%
金井浩一 取締役執行役員特命担当 取締役 29,800株 0.1%
弓削千賀志 取締役執行役員 特命担当 取締役 18,500株 0.1%
樋口昭康 取締役執行役員  管理本部統括 兼情報セキュリティ推進室長 兼知的財産室長 取締役 15,273株 0.1%
渡邊貴史 取締役執行役員 事業部統括 兼引布加工品事業部長 取締役 7,212株 0.0%
長浜洋一 取締役 社外取締役 1,000株 0.0%
細井和昭 取締役 監査等委員 社外取締役 0株 0.0%
鶴見真利子 取締役 監査等委員 社外取締役 0株 0.0%
佐々木聡 取締役 社外取締役 0株 0.0%
田中響子 取締役 監査等委員 社外取締役 0株 0.0%
森田健司 取締役
代表取締役社長執行役員
95,400株 0.4%
髙橋秀剛 取締役
取締役執行役員 特命担当
33,815株 0.1%
植松克夫 取締役
取締役 常勤監査等委員
32,400株 0.1%
金井浩一 取締役
取締役執行役員特命担当
29,800株 0.1%
弓削千賀志 取締役
取締役執行役員 特命担当
18,500株 0.1%
樋口昭康 取締役
取締役執行役員  管理本部統括 兼情報セキュリティ推進室長 兼知的財産室長
15,273株 0.1%
渡邊貴史 取締役
取締役執行役員 事業部統括 兼引布加工品事業部長
7,212株 0.0%
長浜洋一 社外取締役
取締役
1,000株 0.0%
細井和昭 社外取締役
取締役 監査等委員
0株 0.0%
鶴見真利子 社外取締役
取締役 監査等委員
0株 0.0%
佐々木聡 社外取締役
取締役
0株 0.0%
田中響子 社外取締役
取締役 監査等委員
0株 0.0%

※「社外」はEDINET開示の役職名に基づく分類。

📝 指標の説明
  • 社外取締役比率: 独立した外部の人が取締役会に占める割合。過半数なら株主提案が通りやすい
  • 社外役員比率: 取締役と監査役を合わせた全役員に対する社外役員の割合
  • 買収防衛策: TDnet適時開示のタイトルマッチで判定。有報本文・XBRLは未参照。開示がない場合、未導入とは限りません

出典: EDINET有価証券報告書 (S100W5AE)

【編集部注】 安定株主比率は低く、提案が通りやすい構造にある。次に、株価が下がった場合の配当クッションを確認する。


4. 下値は堅いか──配当・増配・自社株買い余力

株価が下がったらどこまで耐えられるか。ネットキャッシュの厚みと株主還元の実績から、下値を支える原資と還元姿勢を検証します。
NC比率?
ネットキャッシュ÷時価総額
総還元性向前実?
配当+自社株買い÷純利益
ネットキャッシュの時価総額カバー率(NC比率)
NC比率が高い企業は「使っていない現金」が多く、アクティビストが増配・自社株買いを要求する根拠になる。株価の下値を支える安全域の目安。
NC比率
33%
配当利回りシミュレーション
アクティビストが増配を要求した場合、配当利回りがどこまで上がり得るかの試算。利回り上昇は株価の下支え要因となる。
現在
2.9%
配当性向50%
3.8%
配当性向75%
5.7%
配当性向100%
7.6%

→ ネットキャッシュ比率(NC比率)33.3%と時価総額の3分の1に相当する現預金を保有し、下値の支えは強固。総還元性向38.6%はFCF(フリーキャッシュフロー)利回り7.18%の範囲内に収まっており、配当の持続性は高い。アクティビストが求める還元拡充の余地は大きく、配当性向を100%まで引き上げた場合の潜在利回りは7.64%に達する試算であり、これが株価の強力なサポートラインとして機能する。

根拠データ
判定基準
配当利回り:
1株あたり配当 ÷ 株価。現在の水準での基本指標。

総還元性向:
(配当+自社株買い)÷純利益。80%未満: 健全水準、80-100%: 高水準、100%超: 利益以上に還元しており持続不能。

配当性向:
① AI推定配当性向: このアクティビストの過去の増配要求実績(1件以上)と財務指標を統合してAIが推定した配当性向。
② シミュレーション配当性向: 過去実績なしの場合、MAX(業種配当性向中央値, 50%)を仮定値として使用。これは仮定に基づく試算であり、予測ではない。

増配余力:
NC比率が高いほど現金余剰が大きく、配当性向を引き上げても財務の安全性を損なわない。総還元性向100%超は持続不能。
増配シミュレーション
※ シミュレーションは前期確定EPSに基づく試算
現状配当性向 38.6%
2.9%
利回り
50%シナリオ配当性向 50%
3.8%
利回り
75%シナリオ配当性向 75%
5.7%
利回り
100%シナリオ配当性向 100%
7.6%
利回り
配当・還元データ
NC比率? 前実 33.3%
時価総額の約3割が余剰現金。増配原資は潤沢
総還元性向? 前実 38.6%
中程度の還元水準
FCF利回り? 前実 7.2%
自社
業種
FCF潤沢。増配の持続可能性が高い
業種配当性向中央値? 前実 30.9%
現在38.6%は既に業種を上回る水準
配当実績
配当性向(予想)? 40.1%
DOE? 前実 4.2%
自社
業種
配当成長率(前年比)? -8.6%
配当CAGR(3年)? 74.7%
自社
業種
自社株買い
自社株買い余力? 前実 37億円
自社株買い余力比率? 7.2%
時価総額比
7%
📝 指標の説明
  • NC比率: ネットキャッシュ(流動資産+投資有価証券×70%−負債合計)÷時価総額。高いほど増配・自社株買いの原資が潤沢で、アクティビストの還元要求の根拠になる
  • 総還元性向: (配当総額+自社株買い額)÷純利益。100%超は利益以上に還元しており持続不能。低い場合はアクティビストが増配・自社株買いを要求する余地が大きい
  • FCF利回り: フリーキャッシュフロー÷時価総額。配当の持続可能性を測る指標。配当利回りを上回っていれば配当は本業のキャッシュで賄えている
  • 業種配当性向中央値: 同業種の上場企業における配当性向の中央値。自社が下回っている場合、増配の論拠になる
  • 配当性向(予想): 予想1株配当÷予想EPS。利益のうちどれだけ配当に回しているかを示す
  • DOE: 株主資本配当率(Dividend on Equity)。配当総額÷株主資本。利益変動に左右されにくい安定配当指標で、3%以上が高水準の目安
  • 配当成長率(前年比): 前年度の1株配当からの増減率。増配傾向にあるかを確認する指標
  • 配当CAGR(3年): 直近3年間の配当の年平均成長率。継続的な増配トレンドの有無を示す
  • 自社株買い余力: ネットキャッシュから算出した自社株買いの原資額。余力が大きいほど、アクティビストが自社株買いを要求する根拠になる
  • 自社株買い余力比率: 自社株買い余力÷時価総額。5%以上なら十分な水準

出典: EDINET有価証券報告書 (S100W5AE)

【編集部注】 配当による下値サポートは確認できた。では出口はどこか──シナリオ別に試算する。


5. 出口はどこか──シナリオ別試算値

何が起きたら、いつまでに、いくらで売れるのか。出口が見えなければ全体像が掴めない。
ここまでの分析を統合し、カタリストのスケジュールとトリガー条件から3シナリオの出口を描きます。
3シナリオ試算値レンジ?
弱気1,881円〜強気4,507円

現在株価: 2,578円

→ 試算値レンジ1,881〜4,507円と幅広い。現在株価2,578円は理論株価試算値(モデル計算)中央値2,991円を下回るが、推定取得単価1,053円を大幅に上回る。アクティビストは含み益を抱えているものの、配当還元モデル(4,507円)が示すように、配当性向引き上げによる上値余地は大きく、このアクティビストが過去にTOB(株式公開買付)を誘発した実績を考慮すると、抜本的な企業価値向上による出口を狙う蓋然性が高い。

理論株価5モデル vs 現在株価(2,578円)
事業価値+余剰現金
2,991円(+16.0%)
EV/EBITDA逆算
3,067円(+19.0%)
配当還元
4,507円(+74.8%)
PBR(実質)是正
1,881円(-27.0%)
理論株価試算値(中央値)
2,991円(+16.0%)
推定取得単価
1,053円
赤線 = 現在株価
根拠データ
判定基準
3シナリオ試算値レンジ:
5つの理論株価モデルの最小値〜最大値。現在株価がレンジのどこに位置するかで割安/割高を視覚的に把握。

理論株価5モデル:
A: 清原式事業価値+余剰現金 / B: PBR(実質)是正 / C: EV/EBITDA逆算 / D: 配当還元 / E: DOE逆算
理論株価試算値 = 常に算出可能な3モデル(A・B・D)の中央値。

推定取得単価: 大量保有報告書の記載から逆算。アクティビスト側の損益分岐であり、撤退圧力の発動水準。
3シナリオのトリガー条件
シナリオ試算値現在株価比トリガー条件(何が起きたら)
強気 4,507円 +74.8% 事業ポートフォリオの抜本的改革発表、またはTOB(株式公開買付)による非公開化が決定した場合。
中立 2,991円 +16.0% 経営陣が追加の株主還元策を段階的に実施し、株価が理論株価試算値(モデル計算)中央値に接近した場合。
弱気 1,881円 -27.0% アクティビストの保有比率が5%を割り込み、報告義務が消滅した場合、または要求が全く受け入れられず撤退した場合。
下値参照 1,053円 -59.1% 推定取得単価。これを下回ると撤退圧力が発動する水準
強気 +74.8%
4,507円
事業ポートフォリオの抜本的改革発表、またはTOB(株式公開買付)による非公開化が決定した場合。
中立 +16.0%
2,991円
経営陣が追加の株主還元策を段階的に実施し、株価が理論株価試算値(モデル計算)中央値に接近した場合。
弱気 -27.0%
1,881円
アクティビストの保有比率が5%を割り込み、報告義務が消滅した場合、または要求が全く受け入れられず撤退した場合。
下値参照: 1,053円(-59.1%) — 推定取得単価。撤退圧力発動水準
理論株価5モデル比較
モデル理論株価現在株価比
事業価値+余剰現金(清原式)
PER(清原式) 9.1倍 → 業種PER中央値 11.3倍 で事業を再評価し、NCを加算
NC 17,246百万円 + 適正事業価値 42,802百万円 = 理論時価総額 60,048百万円
→ 理論株価: 2,991円
2,991円 +16.0%
EV/EBITDA逆算
当社EV/EBITDA 12.31倍 → 業種中央値 15.06倍 で再評価
EBITDA 3,570百万円 × 15.06倍 = 理論EV 53,760百万円
理論EV 53,760百万円 − 純有利子負債 -7,803百万円 = 理論時価総額 61,563百万円
→ 理論株価: 3,067円
3,067円 +19.0%
配当還元
配当性向をMAX(業種中央値30.9%, 50%)=50.0%とした場合
潜在EPS 198.3円 × 50.0% = 潜在DPS 99.2円
→ 理論株価: 4,507円(要求利回り TOPIX平均2.2%)
4,507円 +74.8%
DOE逆算(3%ターゲット)
BPS × ターゲットDOE(3%) ÷ 要求利回り(2.2%)で算出。
算出不可: BPS(1株純資産)が未取得
N/A BPSが未取得
PBR(実質)是正
PBR(実質) 1.37倍 → 適用PBR 1.00倍(業種中央値0.71倍)
現在株価 2,578円 × 1.00 ÷ 1.37
→ 理論株価: 1,881円
修正純資産 361億円(不動産含み益データなし)
※ PBR(実質)を業種中央値に機械的に収斂させた参考値。高ROE企業では控えめな試算となる傾向があります
1,881円 -27.0%
理論株価試算値(中央値)
常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。
算出可能モデル数: 3件 → 中央値: 2,991円
2,991円 +16.0%
下値参照(推定取得単価)
推定取得単価 1,053円 に対し現在株価 2,578円(乖離 +144.8%)。
※推定取得単価は大量保有報告書記載の取得価格・株数から加重平均で算出(提出日: 2026-04-15)
1,053円 撤退圧力発動水準
事業価値+余剰現金(清原式)
2,991円 +16.0%
▼現在
▶ 計算式
PER(清原式) 9.1倍 → 業種PER中央値 11.3倍 で再評価
NC 17,246百万円 + 適正事業価値 42,802百万円 = 理論時価総額 60,048百万円
EV/EBITDA逆算
3,067円 +19.0%
▼現在
▶ 計算式
当社EV/EBITDA 12.31倍 → 業種中央値 15.06倍 で再評価
EBITDA 3,570百万円 × 15.06倍 = 理論EV 53,760百万円
配当還元
4,507円 +74.8%
▼現在
▶ 計算式
配当性向 MAX(業種中央値30.9%, 50%)=50.0%
潜在EPS 198.3円 × 50.0% = 潜在DPS 99.2円
DOE逆算(3%ターゲット) N/A
PBR(実質)是正
1,881円 -27.0%
▼現在
▶ 計算式
PBR(実質) 1.37倍 → 適用PBR 1.00倍(業種中央値0.71倍)
現在株価 2,578円 × 1.00 ÷ 1.37
理論株価試算値(中央値)
2,991円 +16.0%
▼現在
下値参照(推定取得単価): 1,053円 — 撤退圧力発動水準

※理論株価試算値は常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。

📝 指標の説明
  • 事業価値+余剰現金(清原式): 今期予想純利益とNCを計算元に、PER(清原式)を業種中央値PERで再評価し、ネットキャッシュを加算した理論株価。事業の利益力を業種標準で評価した「フェアな値段」。これより安ければ市場が事業価値を過小評価している。
  • PBR(実質)是正: 前期末の修正純資産ベース。修正純資産×業種中央値PBRで算出。資産ベースの理論株価。PBRが業種中央値に収斂する想定。含み益が大きい企業ほどこのモデルでの理論株価が高くなる。
  • EV/EBITDA逆算: 前期実績EBITDAベース。業種中央値のEV/EBITDA倍率でEBITDAを再評価し、負債と現金を調整して株価を逆算。グローバルM&Aで最も使われる尺度。買収される場合の「値段」に近い。
  • 配当還元: 今期予想EPSベース。増配後の想定DPSを市場平均配当利回りで割り引いた理論株価。増配要求が通った場合の潜在株価。配当性向引き上げの余地が大きいほど理論株価が高くなる。
  • DOE逆算: 前期末BPSベース。BPS×ターゲットDOE(3%)÷要求利回り。自己資本配当率をベースにした理論株価
  • 推定取得単価: 大量保有報告書に記載される取得価格と株数の加重平均。複数回の報告がある場合は直近の値を使用。これがアクティビストのコスト。この水準を意識して行動するため、撤退・追加投資の分岐点になる。
  • 理論株価試算値(中央値): 常に算出可能な3モデル(清原式・PBR是正・配当還元)の中央値。外れ値の影響を排除した代表値
このアクティビストの過去の行動パターン
銘柄行動内容結果
ダイキョーニシカワ(2026年) 経営陣との対話および資本政策への介入示唆。 現在進行中だが、市場にアクティビスト・プレミアムを創出。
石原産業(2024年) ROE(自己資本利益率)向上を目的とした株主提案の検討。 経営陣による資本効率改善への意識向上を誘発。
パターン分析(AI抽出値):
過去の類似パターンでは、買い増し加速後にさらなる公開質問状の送付や、定時株主総会に向けた具体的な株主提案(増配・自社株買いの追加要求)に踏み切る蓋然性が高い。会社側の20億円の還元策を「通過点」と見なしている可能性が高い。
※ 上記はAIが抽出した参考値です。SQLによるルールベース集計ではありません。

出典: 大量保有報告書 (S100XYDW)EDINET有価証券報告書 (S100W5AE)

【編集部注】 出口シナリオは確認できた。では、このアクティビストは過去どれだけの打率を残しているのか。


6. 過去の打率は──過去5件でTOPIXに勝てたか

このアクティビストは過去、市場平均に勝てたか。勝率が低くても、個別の需給・財務条件が違えば結果は変わる──その違いをS1〜S5で多面的に検証してきました。
勝率(6ヶ月)?
6件中
超過リターン中央値?
TOPIX対比・6ヶ月

期待値スコア: N/A

⚠ スコア計算には1年データを使用(現在N/A→スコア0.0)。パネル値は6ヶ月実績にフォールバック中。

→ 実額ベースでは投資先の大半で利益を確保しているが、直近6ヶ月のTOPIX(東証株価指数)超過勝率は16.7%(6件)と市場平均を下回る。ただし、このアクティビストは芦森工業の事例に見られるように、1年以上の期間をかけてTOB(株式公開買付)等の抜本的解決を導くスタイルであり、短期的な勝率の低さだけで実力を判断するのは誤りである。現在の買い増し加速は、過去の成功案件における「勝負所」の初動パターンと一致する。

根拠データ
判定基準
大量保有報告書が公開された翌営業日の始値を基準に、その後の株価パフォーマンスを検証しています。
「勝ち」= 報告書公開翌営業日の始値を起点に、1年後の株価リターンがTOPIXを上回った案件
対象:ひびき・パース・アドバイザーズの過去0件の大量保有案件(うち1年以上経過し成績が確定した5件で勝率を算出)

勝率: 60%以上は市場平均を上回る傾向、50%未満は市場平均を下回る傾向。
超過リターン中央値: プラスなら市場平均を上回る実績。

※ リターンは報告翌営業日の始値から一律1年後の株価で算出しており、アクティビストの途中撤退は考慮していません。
開示翌日基準の成績(報告翌営業日始値)

⚠ 1年データ不足のため6ヶ月実績を表示しています

期間 勝率 リターン中央値 リターン平均値 対象件数
3ヶ月 33% -8.8% -5.2% 6
6ヶ月 17% -10.7% -5.6% 6
1年 N/A 5.6% 0.3% 5
2年 50% -11.6% 1.8% 4
3ヶ月 6件
勝率
33%
中央値
-8.8%
平均
-5.2%
6ヶ月 6件
勝率
17%
中央値
-10.7%
平均
-5.6%
1年 5件
勝率
N/A
中央値
5.6%
平均
0.3%
2年 4件
勝率
50%
中央値
-11.6%
平均
1.8%

(参考)絶対リターン: 1年勝率 N/A / 平均+15.8%、 2年勝率 100% / 平均+37.0%

📝 指標の説明
  • 期待値スコア: 勝率×超過リターン中央値。プラスなら「平均的に市場を上回る」ことを示す総合指標。スコアがプラスのアクティビストは、過去に市場平均を上回る成果を出してきた実績がある。
  • 勝率: このアクティビストの過去投資先のうち、同期間のTOPIXリターンを上回った銘柄の割合。50%超なら市場平均に勝つ確率が高い
  • リターン中央値: TOPIX対比の超過リターンの中央値。典型的なケースでの実力を示す。外れ値の影響を受けにくい
  • リターン平均値: TOPIX対比の超過リターンの平均値。大きなリターンを出した銘柄の影響を受けやすい
  • 対象件数: 分析に使用した過去の投資先銘柄数。多いほど統計的信頼性が高い
  • 絶対リターン vs TOPIX超過リターン: 絶対リターンは株価の変動率そのもの。超過リターンは同期間のTOPIXリターンを差し引いた値。相場全体が上がった時に超過リターンがマイナスなら、市場に劣後しただけで実額ではプラスの場合もある。両方を見ることで実力を正確に把握できる。
  • スタイル: 積極介入型=株主提案・委任状争奪を積極的に行う / 建設的対話型=対話重視で改善を促す / パッシブ型=大量保有のみで積極的な働きかけは少ない
  • 算出方法の注意: リターンは報告翌営業日の始値から一律1年後(365日後以降の最初の営業日終値)の株価で機械的に算出しており、アクティビストの途中撤退は反映されていません。
アクティビスト自身の成績(推定取得単価基準)
期間 勝率 リターン中央値 リターン平均値 対象件数
1年 80% 20.0% 20.5% 5
2年 75% 15.5% 28.7% 4
1年 5件
勝率
80%
中央値
20.0%
平均
20.5%
2年 4件
勝率
75%
中央値
15.5%
平均
28.7%

※ 報告書記載の推定取得単価を基準にした成績です。取得単価の精度に限界があるため参考値として掲載しています。開示翌日基準(上記メインテーブル)の数値を優先してください。

📝 指標の説明
  • 推定取得単価基準: 大量保有報告書に記載される取得価格と株数から加重平均で算出した1株あたりコストを基準とした成績。これがアクティビストのコスト。この水準を意識して行動するため、撤退・追加投資の分岐点になる。

出典: 大量保有報告書 (S100XYDW)

【編集部注】 過去の打率は高くない。加えて途中で撤退されるリスクがないか──エグジットシグナルを確認する。


7. 撤退の兆候は──エグジットシグナルと検知条件

4つの撤退シナリオについて、観測データと警戒条件を整理します。
撤退兆候?
4項目中0項目が警戒(2項目は手動確認)

平均保有期間: N/A

📝 指標の説明
  • 撤退兆候: 4つの撤退シナリオ(保有比率減少・要求達成・対話膠着・バリュエーション到達)の該当状況を示すパネル。警戒1項目以上で赤、注視のみで灰、全て兆候なしで緑
  • 平均保有期間: このアクティビストの過去案件における平均保有期間。保有期間が短いファンドは早期売却リスクが高い。長いファンドは腰を据えて改善を求める傾向。
  • エグジットシグナルスコア: 50点満点で撤退リスクの総合度を数値化したもの。5つのシナリオ(保有比率減少・要求達成・議決権敗北・需給反転・バリュエーション到達)の合計。STRONG_HOLD(0-15)=撤退リスク低い / HOLD(16-25)=当面継続 / MONITOR(26-35)=継続監視 / STRONG_EXIT(36-50)=撤退の蓋然性が高い。スコアが高いほどアクティビストが撤退に近い状態。追加報告書の提出頻度と合わせて見ると予測精度が上がる。

→ 自動判定2項目(要求達成・バリュエーション到達)はいずれも兆候なし。最大リスクは保有比率減少で、直近2回連続で保有比率が減少しており、報告書の最大5営業日の時間差を考慮すると、実態はさらに売却が進んでいる蓋然性がある。5%閾値まであと3.63ポイントで、割り込めば報告義務が消滅し、動向の把握が困難になるため、継続的な注視が必要である。

根拠データ
判定基準
撤退兆候チェックリスト(4項目):
各項目について「兆候なし / 注視 / 警戒」の3段階で判定。警戒が1項目以上でパネル赤、注視のみで灰、全て兆候なしで緑。

① 保有比率減少: 大量保有報告書の変更報告から自動判定。2回連続で減少した場合に警戒。
② 要求達成: 主要要求(増配・自社株買い・ガバナンス改革等)が実現し保有継続の動機が消滅した場合に警戒。現在は手動確認。
③ 対話膠着: 株主総会での提案否決が複数回続き対話にも応じない状態が長期化した場合に警戒。現在は手動確認。
④ バリュエーション到達: 株価が理論株価試算値に到達、またはPBRが業種中央値に収斂した場合に警戒。自動判定。
撤退シナリオ別チェック
● 兆候なし ① 保有比率減少
観測データ: 保有比率 8.63%(直近変動+1.22pp) →S3
警戒条件: 保有比率が2回連続で減少した場合
判定方法: 自動判定(大量保有報告書の変更報告から前回比較)
─ 自動検知の対象外 ② 要求達成
観測データ: 配当性向38.6%(業種中央値30.9%)
警戒条件: 主要要求(増配・自社株買い・ガバナンス改革等)が実現し、保有継続の動機が消滅した場合
─ 自動検知の対象外 ③ 対話膠着
観測データ: 実質安定株主比率 33.5%、社外取締役比率 42% →S3
警戒条件: 株主総会での提案否決が複数回続き、経営層が対話にも応じない状態が長期化した場合
▲ 注視 ④ バリュエーション到達
観測データ: PBR(実質) 1.37倍(業種中央値0.71倍の1.9倍)、推定取得単価 1,053円 → 現在株価 2,578円 →S1
警戒条件: 理論株価試算値に到達、またはPBRが業種中央値に収斂した場合
判定方法: 自動判定(PBR・理論株価と閾値の比較)

本チェックリストは撤退兆候の有無を整理したものであり、売買タイミングの助言を構成するものではありません。

出典: 大量保有報告書 (S100XYDW)EDINET有価証券報告書 (S100W5AE)

【編集部注】 撤退リスクは現時点では限定的と判断される。S1〜S7の分析をスコアとして集約する。


8. まとめ──スコアの構成と根拠

S1〜S7の分析を4つの軸で集約した総合指標。スコアの計算過程とデータ品質を開示します。
コバンザメスコア?
/ 10.0
財務 2.3 + 行動 3.1 + 株主構成 0.0 + 実績 0.0
財務
2.3/3.0
30%
行動
3.1/3.5
35%
株主構成
0.0/2.5
25%
実績
0.0/1.0
10%
合計
5.4
/10

※ 本スコアは、財務面の割安度・アクティビストの行動特性・株主構成・過去案件の実績を定量評価した分析指標です。投資判断を推奨するものではありません。

→ コバンザメスコア5.4。行動面のスコアが最も高く、判断の主要な根拠となっている。

根拠データ
判定基準: コバンザメスコアの算出方法
コバンザメスコア(0.0〜10.0)
4つの分析軸を重み付け平均した総合指標。
composite = (財務×0.30 + 行動×0.35 + 株主構成×0.25 + 実績×0.10) ÷ 5.0 × 10.0

割安か+下値は堅いか(財務 ×30%)
バリュエーション・資本効率・株主還元余力。§1と§4の分析がこの軸に対応。
5=極めて割安+還元余力潤沢、0=割高+効率的。

どう動くか+撤退の兆候は(行動 ×35%)
本気度・行動確率・戦略予測・撤退リスク。§2と§7の分析がこの軸に対応。
5=AGGRESSIVE+高勝率+エスカレーション、0=撤退兆候。

提案は通るか(株主構成 ×25%)
議決権構造・株主構成・浮動株比率。§3の分析がこの軸に対応。
5=壁が薄い+浮動株潤沢+票読みHIGH、0=壁が厚く変更困難。

過去の打率は(実績 ×10%)
アクティビストの過去案件バックテスト。§6の分析がこの軸に対応。
TOPIX超過勝率×超過リターン中央値。データ不足時は0.0。

データ品質
HIGH=データ十分で信頼性高い / MEDIUM=一部欠損あり / LOW=重要データ欠損。

※本スコアはモデル計算値であり、投資判断を示すものではありません。将来のリターンを保証・予測するものではなく、スコアの高低は売買の推奨を意味しません。

スコア内訳
分析軸スコアウェイトデータ品質?
割安か+下値は堅いか(財務)?3.8 / 5×30%HIGH
どう動くか+撤退の兆候は(行動)?4.5 / 5×35%HIGH
提案は通るか(株主構成)?0.0 / 5×25%HIGH
過去の打率は(実績)?0.0 / 5×10%データ不足
コバンザメスコア?5.4/ 10.0

各軸スコアはS1〜S7の分析データを入力としたAIによるモデル計算値であり、ルールベースの算出ではありません。 同一データに対して実行ごとに微小な差異が生じる場合があります。

AI分析プロセス
アクティビスト意図: 追加還元と事業再編への強い確信
データ品質: VERIFIED 財務分析: HIGH ガバナンス分析: HIGH 株主構成分析: HIGH

ステージ間分析

⚠ ステージ間の矛盾:
  • 財務分析ではROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回り、EVA(経済的付加価値)も正と「価値創造」がなされていると評価される。しかし、ガバナンス分析ではアクティビストが「事業構成がいびつ」と指摘し、積極的な介入を継続している。これは、経営陣が認識する価値創造とアクティビストが求める抜本的改革の間に認識の乖離があることを示唆する。
矛盾解消: 経営陣は既存事業での価値創造を主張するが、アクティビストは事業ポートフォリオ全体の最適化と余剰資金の還元を通じて、より高い企業価値実現を目指しているため、両者の視点が異なっている。
✔ ステージ間シナジー:
  • 財務分析が示すネットキャッシュ比率(NC比率)33.3%とFCF(フリーキャッシュフロー)利回り7.18%という潤沢な還元余力は、ガバナンス分析で示されるアクティビストの「株主還元拡充」要求と強く連動し、要求実現の蓋然性を高める。
  • ガバナンス分析で示されるアクティビストの「AGGRESSIVE」なエンゲージメントスタイルと、株主構成分析で示される実質安定株主比率33.5%という低い安定株主比率は、アクティビストの提案が株主総会で支持を得やすい環境を作り出す相乗効果がある。
相互作用効果:
  • アクティビストが既に20億円の自己株買いを引き出したにもかかわらず、保有比率をさらに買い増している事実は、財務分析で示される高い還元余力と事業構成への不満が、さらなる要求(追加還元や事業再編)へと繋がる強い相互作用を示唆する。
  • 買収防衛策がないガバナンス構造と、アクティビストが過去にTOB(株式公開買付)を誘発した実績が組み合わさることで、事業再編要求が最終的にM&A(合併・買収)や非公開化へと発展する可能性が高まる。



出典:
EDINET有価証券報告書 (S100W5AE)
EDINET半期報告書 (S100X0FA)
大量保有報告書 (S100XYDW)
⚠ 重要なお知らせ (Disclaimer)
本レポートは、当サービスが独自に開発したアルゴリズムによる計算結果・統計データを提供するものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 理論株価試算値・スコア等はモデル計算に基づく参考値であり、将来の価格・リターンを保証するものではありません。 データは複数の公開情報源から自動取得しており、正確性を保証するものではありません。重要な判断の際は、必ず1次情報(EDINET・TDnet・企業IR等)でご自身で確認してください。 投資判断はご自身の責任において行ってください。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当サービスは一切の責任を負いません。